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帰化申請

ネパール人の日本国籍取得【帰化】

2024.05.13

帰化とは、外国人が日本で日本国籍を取得することを指します。

帰化することで、日本名への変更や戸籍の取得、社会保障の権利や参政権など、日本人と同じ権利を取得できます。また、帰化するには住所を管轄する法務局または地方法務局へ必要書類の提出および法務大臣の許可が必要です。

 

近年、ネパールでは、留学したいという学生が増えており、高校や大学卒業後に留学という選択肢が一般的になっています。

その中でも、比較的安価で、平和な国である日本に留学を希望する学生が多いです。

留学に伴い、家族で日本に移住する方や、日本国籍の取得を希望しているネパール人も少なくはありません。

 

 

そこで今回は、日本に帰化し、日本国籍を取得したいと考えているネパール国籍保持者の方々へ向けて、日本への帰化プロセスや注意点について徹底的に説明します。

 

「ネパール人の帰化の必要書類は?」

「ネパール人の帰化の注意点は?」

「家族全員ネパール人ですが、自分だけ帰化申請は可能ですか?」

 

帰化申請の注意点

(共通要件)まず帰化できるかどうかをチェックしましょう!

居住要件

・来日5年、仕事3年以上

・日本人と結婚している中国人なら結婚3年以上&来日1年以上

 

【注意点】

・転職があり、且つ空白期間(無職)が存在する場合、その空白期間は「仕事3年」に含まない。

・海外渡航に日数が年間150日、若しくは一度の出国が90日を超える場合は問題あり。
・日本人と結婚する場合は婚姻の信憑性が厳しく見られます。

生計要件

・安定した仕事で、貯金もある程度有すること。

・経営者の場合は、個人所得と会社の経営状況の両方が安定性を有すること。

※帰化は年々厳しくなる傾向があり、目安としては、一人世帯300万円以上/年間が望ましいです。

 

 

【注意点】

・実態のない節税目的で扶養人数複数人いる場合は問題になる。

・ローン等、多少の負債や借金があっても、生活に影響しない程度の場合は大丈夫です。

 

素行要件

・運転免許を持っている中国人は、過去の交通違反を審査されます

・日本だけでなく中国国内の法律違反も関係します

・年金、健康保険、税金の支払い漏れは問題になります

 

【注意点】

・日本に親族がいて、その親族が法律違反、義務違反がある場合は、申請人にも悪影響を与える可能性が高い。

(違反でなくても、例えば親族が生活保護等、日本社会に負担を与える時は、マイナスに捉えられる)

・近年流行りの電子キックボードの法改正のより気軽に乗れるようになりましたが、取締も強い傾向にあります。ご利用する場合は交通違反にならないように気を付けてください

「電子キックボード記事」

日本語能力

・小学校3年生レベルの読み書きができる必要があります

・帰化申請したい理由や経緯、帰化後の計画等聞かれますので、「片言しか話せない」というのは問題になります

 

ネパール人の帰化申請の必要書類

※お客様の状況や管轄法務局により、提出する書類や記載要領は異なる場合があります。

 

(1) 帰化許可申請書(写真貼付)

※申請書に貼る顔写真(縦5㎝×横5㎝)  2葉

※写真は、申請前6ヶ月以内に撮影された単身、無帽、正面上半身なもの。 

※写真は、15 歳未満の場合には、法定代理人(両親など)と一緒に撮影したもの。

 

(2)親族の概要を記載した書面

※戸籍謄本等を基に、正確に記載しましょう。

 在日親族の場合には、帰化の賛成・反対の意思や、電話番号・連絡先等を記載します。

 連絡がつかない親族や帰化に反対の親族がいる場合には、専門家や法務局に相談しましょう。

 

(3) 履歴書

※履歴書のうち、立証資料が必要なものがあります。

例)学生の場合は:在学証明書/最終卒業証明書または卒業証書の写し

例)スキルの記載がある場合は:資格を証する証書等の書面資料

例)自動車運転免許証をお持ちの場合は:その表、裏面の写し

 

(4) 帰化の動機書

※手書きで書く必要があります。

ここでも日本語能力が見られますので、誤った日本語を使わないように気をつけましょう。

 

(5) 宣誓書

 

(6) 国籍・身分関係を証する書類

出生証明書

結婚証明書

離婚証明書

死亡証明書

親族関係証明書

父母からの申述書

 ※詳しくは「3-1 ネパールで取得する必要書類について」をご参照ください。

 

(7) 国籍証明書

※詳しくは「3-2 ネパールの国籍証明書について」をご参照ください。

 

(8) 出入国記録

※日本上陸から現在に至るまでの出入国歴が記載されたもの。

 パスポート情報等から正確に出入国歴を記載します。

 渡航先の国も記載します。

 ここで出国日数が多いと、審査に影響します。

(有効期限切れのパスポートの記録含む)

 

(9) 住民票の写し等

 ※申請者、同居者や配偶者等、全員が記載されるもの。

 

  • 生計の概要を記載した書面

該当するものを提出する必要があります。

①在勤及び給与証明

②預貯金現在高証明書・預貯金通帳の写し

③賃貸契約書の写し

④土地・建物登記事項証明書

⑤配偶者等生計を同じくする親族がいる場合は、その支出関係を示すもの。

⑥世帯の異なる親族に経済的に支援を受けている場合は、その支出関係を示すもの。

※例えばネパールの親から〇万円/月の支援を受けていれば、ネパール側の送金記録や日本側通帳の入金記録等。

※これらの資料をもとに、日本で充分に生計を維持できるかどうか等が、審査に影響します。

 

(11) 事業の概要を記載した書面

① 会社など法人の登記事項証明書

② 営業許可書・免許書類の写し

 

(12) 納税証明書等

<被雇用者の場合>

① 源泉徴収票

② 都道府県・市区町村民税の納税証明書、課税証明書または非課税証明書

 

 <個人事業主等の場合>

① 源泉徴収票

② 確定申告書(決算報告書を含む)

③ 所得税の納税証明書

④ 事業税の納税証明書

⑤ 消費税の納税証明書

⑥ 都道府県・市区町村民税の納税証明書、課税証明書または非課税証明書

⑦ 納付書の写し

 

<法人役員・経営者等>

① 確定申告書

② 決算報告書

③ 法人税の納税証明書

④ 法人事業税の納税証明書

⑤ 消費税の納税証明書

⑥ 法人都道府県民税の納税証明書

⑦ 法人市区町村民税の納税証明書

⑧ 源泉徴収簿の写し(申請者部分)及び納付書

 

(13) 公的年金保険料の納付証明書(直近1年分)

※以下のいずれかを提出します。

① ねんきん定期便

② 年金保険料の領収書などの写し

※年金滞納等があると、法的義務の履行をしていないとして、審査に影響します。

 

(14) 運転記録に関する書面

※以下のいずれかを提出します。

① 運転記録証明書(過去5年間)

② 運転免許経歴証明書(失効や取り消されたことがある人)

※違反がある場合には、十分な説明を要しますので、専門家に相談しましょう。

 

  • 自宅・勤務先・事業所付近の略図

※〇〇から〇〇までの所要時間等を記載します。

これらの資料を基に、法務局の審査官により、自宅や勤務先の訪問調査等が行われます。

 

 

(16) その他

 

ネパール人の帰化申請の注意点

 ネパールで取得する必要書類について

・出生証明書 

本人

兄弟姉妹

子供

・結婚証明書

  父母

  本人

・離婚証明書 ※離婚歴がある場合(父母・本人)

 

・死亡証明書 ※死亡している親族(父母・兄弟姉妹・子供)がいる場合

 

・親族関係証明書 

 

 

上記の書類は、基本的に役所で取得でき、ほとんどの場合、家族など代理人が取得できます。

 

また、ほとんどのケースで両親からの申述書の提出が必要となります。

申述書とは、両親が、親族関係があることを示し、署名した書類です。

 

弊所では、申請人のケースにあわせた、申述書の例文を作成させていただく形をとらせていただいております。

(状況に応じて、親族関係証明書・両親からの申述書を両方提出する場合もあります。)

 

 

■ネパールの住所

ネパールでは、数年前に行政区画の変更があったため、出生証明書に記載の住所と現在使用されている住所が異なることがあります。

その場合は、別紙で住所に関する証明書を発行していただき、提出することになります。

 

 

 

 

 

 

 

■ネパール書類の翻訳について

ネパールの証明書は、基本的に英語もしくはネパール語のいづれか選択して、発行いただくことができますが、専門家に依頼等をされる際には、帰化申請では翻訳文をすべて日本語にする必要がありますので、英語で発行されることをお勧めします。

ネパール語の翻訳よりも英語の翻訳の場合の方が、スムーズで費用も安く抑えれる専門家が多いです。

また、人名や地名はすべてカタカナ表記にしなければなりません。

また申請書類の中で、翻訳に注意をしないと、同じ地域や名前を示す言葉に相違が出てしまうことがあります。地名や名前は個人を特定する重要な情報であるため、審査官を混乱させてしまったり、誤解を受けることがないよう、書類でしっかりと準備をしておきましょう。

 

ネパールの国籍証明書

国籍証明書は、日本の総領事館で取得することができます。

原則、本人のみからの申請となっているので、各自お問い合わせください。

 

 

ネパールの学歴・修学年数について

ネパールでは、日本ほど交通整備がされていなかったり、農村地域では、自宅から学校が遠くて幼い子供では通学が難しいこともあり、10歳前後から小学校に通い始めることも少なくはありません。

履歴書には、事実の通りの修学年数や学歴を記載し、面接時等にしっかり説明できるようにしましょう。

 

在留資格申請時の書類について

ネパールの方に限りませんが、これまでの在留資格認の申請等で、送り出し機関等による書類作成で偽造等が多くあり、入管に対して、真正でない嘘の内容で在留資格の申請をされてしまっているケースがよく見られます。

万が一、虚偽申請(告知しないことを含む)をしてしまっている場合にも、重ねて帰化申請時に嘘を重ねることのないようにしましょう。

帰化申請では、身辺調査等も行われますので、虚偽の申告があれば、バレる可能性が高くなります。虚偽の申告があるとなれば、公正証書原本不実記載罪という、刑法上の犯罪にあたりかねませんし、帰化が許可されることは、まずありません。

これまでの在留資格の申請内容も正確に把握し、必ず、不備や、内容が真実と異なる部分があれば、隠さずに、正直に申告し、反省や経緯等をしっかりと説明できるようにしましょう。

 

 

ネパール国大使館

〒 153-0064 東京都目黒区下目黒 6-20-28 フクカワハウスB

Tel: 03-3713-6241,6242

Fax: 03-3719-0737

https://jp.nepalembassy.gov.np/ja/

 

最後に

今回は、ネパール国籍の方が帰化申請をする場合の注意点を解説しました。

ネパール国内で取得する書類の発行や郵送、翻訳に想像以上の時間を要する場合がありますので、事前にしっかりと計画をたてて書類を収集する必要があります!

また、ネパールで取得する書類以外にも日本国内で収集する書類、また作成が必要な書類がたくさんあります。提出資料が100枚を超えるケースが非常に多く、審査期間も8ヶ月から18ヶ月ほどと非常に時間がかかります。

弊所では、ネパールの方の帰化申請経験が多数ございます。相談は無料ですので、ぜひ一度専門家にご相談ください。

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※ネパール語・ベンガル語でのご相談希望者の方は、事前にお問合せフォームやSNSを通じてその旨お知らせ下さい。こちらから通訳者より、お電話させて頂きます。

この記事の監修者

柳本 良太
柳本 良太
行政書士・司法書士
行政書士法人やなぎグループ代表社員。
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。

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