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特定技能・技能実習

特定技能ビザとはどういったものなのか、特定技能の概要(活動内容・在留期間・要件(基準省令))や、ビザの申請手続きやポイント、注意点なども合わせてわかりやすく表や図を使って解説します。
特定技能・技能実習
特定技能・技能実習

特定技能ビザとは、申請の流れ、申請の必要書類、特定技能ビザのポイントなど

 

こういったお客様へ

☑大卒以上の学歴や経験はないが、日本で働きたい方
☑介護、自動車整備、建設、宿泊、農業、漁業、外食産業、製造分野等の工場等で、現場仕事がしたい方
☑介護人材が足りていないので、外国人を雇用したい企業様
☑飲食店の外国人留学生のアルバイトを学校卒業後に正社員として雇用したい企業様
☑外国人技能実習生の実習期間が終わった後も引き続き雇用したい企業様
☑日本国内で労働者不足に悩み、今後は外国人材の雇用も考えている企業様

特定技能ビザとは

特定技能ビザというのは、就労ビザの一種です。
ただ、いわゆる就労ビザの代表格「技術・人文知識・国際業務」とは、様々な点で異なります。
この特定技能ビザは、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れ、人材不足解消のために、創設されました。在留期間や活動内容、求められる要件等に様々な違いがあり、特定産業分野においてのみ取得が可能なビザとなります。
この特定技能ビザには、特定技能1号と特定技能2号の2種類のビザが存在します。

特定技能が就労できる業種 特定産業分野とは

特定技能ビザにおいて就労できる業種は「生産性向上や国内人材確保の取組を行った上で、なお、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」に限定されており、これが「特定産業分野」と呼ばれています。

2023年10月現在、特定産業分野には、以下のような12の分野(14業種)が指定されていますが、特定産業分野にどのような産業が指定されるかは今後も見直されていく可能性があります。
つまり、人手不足に悩んでおり、日本国内で人材を確保することが困難であると国が認めている産業が特定産業分野に認定されているということです。

 

特定技能ビザ・技能実習の違い

特定技能ビザと比較することが多く、企業が外国人労働者を受け入れるときによく検討される在留資格として、技能実習があります。この2つのビザにおいて、どのような違いがあるのか見ていきましょう。

①制度の目的が異なる

「技能実習制度」は開発途上国出身の方に日本の高い技術を現場での実習を通じて習得してもらい、帰国後に培った技術を広めていただくという国際貢献を制度の目的としています。
一方、「特定技能制度」は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。

②就業可能な作業内容や分野が異なる

「技能実習」と「特定技能」それぞれ認められている作業内容や分野が異なります。
「技能実習」で受け入れができているからと言って、「特定技能」も同じく受け入れられるとは限りません。また反対に「特定技能」で受け入れることができても、「技能実習」で該当しない場合があります。

 

▶ 「技能実習」の移行対象職種(令和5年10月31日時点)はこちら

③転職の可否

「技能実習」では、在留の目的が「就労」ではなく、あくまでも「実習」であるため、そもそも「転職」という概念が存在しません。
所属先の企業の都合により他企業に移籍するか、技能実習2号から3号への移行のタイミングのみ「転職」が可能になります。
一方で「特定技能」は就労資格であるため、『同一分野』または『転職先の分野に該当する技能評価試験に合格+日本語能力試験4級以上(※介護はこれ以外に追加条件あり)』を満たしていれば転職が可能です。

④「家族滞在」の可否

「家族滞在」とは、「就労」または「留学」の在留資格保持者の家族が日本に在留することができる資格です。「技術・人文知識・国際業務」などの専門資格では可能ですが、「技能実習」及び「特定技能1号」では認められていません。

「特定技能2号」では、母国にいる配偶者ならびに子どもに限り、日本に呼ぶことができます。
特定技能2号の資格要件を満たすことが難しいことに加え、特定技能外国人として5年目を迎える対象者が限られていることもあり、この資格を持つ特定技能外国人は、現在はまだ一部に限られております。
しかし、2023年に特定技能産業分野が拡大されましたので、今後、特定技能2号の外国人の方も増えてくると期待されています。

⑤受け入れ方式・雇用形態の違い

「技能実習」は実習による技能移転・国際貢献が目的なので、営利を目的としない団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等で技能実習を実施する団体監理型の受入れ方式が90%以上を占めています。企業が直接海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れて、技能実習を実施する方式も認められていますが、現在利用されているのは、ごく少数に限ります。

 

一方で、「特定技能ビザ」は、日本人の採用活動と同じように実施します。外国人のスキルや条件を確認し双方の承諾を得たら、企業と直接雇用契約を締結します。

 

そのほかにも様々な違いやメリット・デメリットがあります。
同じく外国人の就労ビザの代表格である技人国(技術・人文知識・国際業務)というビザもありますので、詳しくは、特定技能ビザ・技能実習・技人国のちがい(※現在準備中)と、下の表をご覧ください

  特定技能1号ビザ 特定技能2号ビザ 技能実習
(監理団体型)
技術・人文知識・国際業務
目的 日本の人手不足解消 日本の人手不足解消 国際技能移転
国際協力
人手不足解消や国際協力等の国家政策のためではなく、外国人が専門性を活かしてホワイトカラーの仕事につくためのビザ
在留期間 通算で上限5年
(1年、6か月又は4か月ごとの更新)
更新回数制限なし
(3年、1年または6ヶ月ごとの更新)
1号 1年以内
2号 2年以内
3号 2年以内
合計で最長5年
更新回数制限なし
(5年、3年、1年、4か月(経営・管理のみ、3か月ごとの更新)
受入れ国 制限なし
※ただし協定国あり
(2023年10月現在イランは不可)
制限なし
※ただし協定国あり
(2023年10月現在イランは不可)
制限あり
ベトナム、インドネシア、フィリピン 等全16ヵ国(2023年10月31日時点)
制限なし
学歴要件実務経験 不要 不要 不要 必要
対象業務 介護
ビルクリーニング
製造3分野(素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
ビルクリーニング
製造3分野(素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
(2023年8月31日改正により、「介護」を除く特定技能1号の全分野に拡大)
90職種165作業
(2023年10月31日時点)
理工系技術者
IT技術者
外国語教師
通訳
貿易事務 等
雇用形態 原則直接雇用のみ
(漁業、農業のみ派遣可能)
直接雇用のみ 直接雇用のみ 直接雇用・派遣も可能
技能水準 試験等で確認 (技能実習2号修了者は試験等免除)
相当程度の知識または経験を必要
(例:一般労働者レベル)
試験等で確認
熟練した技能水準
(例:現場監督者レベル)
なし
(例:見習い・未経験者レベル)
なし
(ただし、実務経験または学歴要件あり)
日本語能力水準 日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)
(技能実習2号修了者は試験等免除)
日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)(技能実習2号修了者は試験等免除)
※事実上、特定技能1号からの移行になるため、再度の試験は不要
不要
(介護職のみ入国時N4相当レベル必要)
不要
(通訳等業務内容により、N1・N2レベルが好ましいケースあり)
転職 同一業務内等で可能 同一業務内等で可能 原則不可
家族の帯同 不可 可能 不可 可能
永住申請 不可 要件を満たせば可能 不可 要件を満たせば可能
給与水準 日本人と同等以上 日本人と同等以上 日本人と同等以上 日本人と同等以上
監理・支援 特定技能所属受入れ機関または登録支援機関による監理・支援あり なし 監理団体による実習管理あり なし

特定技能1号とは

特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格のことです。

特定技能1号のポイント

分野:特定の産業分野 12分野 14業種に限る(詳細は、こちら)
年齢:18歳以上(日本上陸時点で)
在留期間:3年、1年又は6か月ごとの更新
技能水準:試験等で確認
日本語能力水準:試験等での確認が原則必要(技能実習2号修了者は試験等免除)
家族の帯同:不可
受入機関又は登録支援機関による支援の対象となる

特定技能2号とは

特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けのビザです。
特定技能1号を修了した外国人のうち、2号の特定技能試験に合格し、熟練した技能を有するとされる実務経験を満たす人が、特定技能2号ビザを取得できます。以前は、特定技能2号が存在する特定産業分野が、建設業と造船・舶用工業のみでしたが、2023年8月31日改正により、「介護」を除く特定技能1号の全分野に拡大されました。

特定技能2号のポイント

分野:特定の産業分野 11分野 13業種に限る(「介護」を除く特定技能1号の全分野)
年齢:18歳以上(日本上陸時点で)
在留期間:3年、1年又は6か月ごとの更新
技能水準:試験と実務経験で確認
日本語能力水準:試験等での確認は不要
家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)
受入機関又は登録支援機関による支援の対象外

※特定技能2号の技能試験の詳細については、出入国在留管理庁 試験情報サイトをご参照ください。

 

本人側の特定技能ビザの要件

特定技能1号の場合

特定技能試験の合格

特定技能試験の内容
介護 介護技能評価試験
介護日本語評価試験(介護のみ)
ビルクリーニング ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連 製造分野特定技能1号評価試験
建設業 建設分野特定技能1号評価試験
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野特定技能1号試験
自動車整備 自動車整備分野特定技能評価試験または自動車整備士技能検定試験3級のいずれかに合格
航空 航空分野特定技能評価試験
宿泊 宿泊業技能測定試験
農業 農業技能測定試験
漁業 漁業技能測定試験
飲食料品製造業 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験
外食業 外食業特定技能1号技能測定試験

試験が開催されている国であれば、国内外問わず受験することができます。
試験に合格をしたら在留資格の申請時に、分野別運用方針に定める技能試験の合格証明書の写しを提出します。
各分野の詳しい試験内容は、出入国在留管理庁のサイトをご参考ください。

日本語試験の合格

特定技能ビザを申請する外国人は、「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」または「日本語能力試験(JLPT)」に合格しなければなりません。そして、ビザ申請時に、合格証明書の写しを提出します。

※令和4年8月30日閣議決定により、今後、こちらの2種類の試験のみではなく、N4相当とされる試験種類が拡大される見込みとなっています。

  国際交流基金日本語基礎テスト(JFT) 日本語能力試験4(JLPT)
実施期間 国内外で年6回実施 国内外で年2回
毎年7月上旬・12月上旬 実施
(海外では年1回の地域あり)
合格基準 A2レベル
(ある程度日常会話ができ生活に支障がないかが目安)
N4レベル
参考公式サイト https://www.jpf.go.jp/jft-basic/ https://www.jlpt.jp/

技能実習2号を良好に修了の場合

これまでのご説明の通り、原則としては、特定技能試験合格と日本語能力試験合格が必要ですが、技能実習を活用し技能実習2号を良好に修了している場合には、日本語試験合格と特定技能試験合格は不要となります。

 

 

この「技能実習」とは、在留資格・ビザの1つであり、発展途上国の外国人を一定期間受け入れ、日本の技術や知識を開発途上地域し、こういった地域等の経済発展を担う「人づくり」への国際貢献を行うことを目的とする制度です。

 

技能実習は1号から3号に分かれており、特定技能ビザとは、目的を始め、様々な点において異なります。特定技能ビザと技能実習の違いは、詳しくはこちら「特定技能・技能実習・技人国の違い」をご参照ください。

技能実習1号 技能実習1年目
技能実習2号 技能実習2~3年目
技能実習1年修了時に試験に合格をすると、移行が可能
技能実習3号 技能実習4~5年目
技能実習2号修了時の試験に合格をすると移行が可能

 

 

「技能実習が良好な状態」とは、技能実習を計画に従い、2年10ヶ月以上修了していることということです。
仮に技能実習2号の修了後に帰国をしていても、良好な状況であれば日本語能力試験と特定技能試験が免除されます。この場合、技能検定3級またはこれに相当する試験の合格証の写しや技能実習生に関する評価調書などが在留資格申請時に必要となります。

 

 

技能実習の「移行」という言葉がよく使われますが、ここでいう「移行」とは、つまり「技能実習ビザ」から「特定技能ビザ」等へ変更することや、「技能実習1号ビザ」から「技能実習2号ビザ」等異なるビザに変更することです。
「技能実習」ビザから、「特定技能1号」ビザに変更する場合には、技能実習2号の職種、作業との関連性が必要です。

特定技能2号の場合

特定技能試験の合格

特定技能2号ビザを申請するには、従事する分野と同一の特定技能試験に合格しなければなりません。試験の一覧は以下をご参考ください。

 

※特定技能2号の技能水準を測る試験については、既存の試験のほか、各分野で新たに設けられる試験があり、それぞれの分野を所管する省庁において試験実施要領に基づき、随時開始される予定となっています。

特定技能試験の内容
ビルクリーニング ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験または技能検定1級(ビルクリーニング)
素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連 ビジネス・キャリア検定3級と製造分野特定技能2号評価試験の両方の合格または技能検定1級
建設業 建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級・技能検定単一等級
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野特定技能2号試験または技能検定1級
自動車整備 自動車整備分野特定技能2号評価試験または自動車整備士技能検定試験2級
航空 空港グランドハンドリング業務:航空分野特定技能2号評価試験
航空機整備業務:航空分野特定技能2号評価試験航空従事者技能証明
宿泊 宿泊分野特定技能2号評価試験
農業 2号農業技能測定試験
漁業 2号漁業技能測定試験
飲食料品製造業 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験
外食業 外食業特定技能2号技能測定試験

実務経験

長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をもつことが要求されます。
そして、各分野 特定産業ごとに、その実務経験の基準が設けられています。
例えば、複数の技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する等、自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる、又は監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる水準の実務経験が必要となります。

 

特定技能ビザの受入企業側の要件

特定技能外国人を受け入れる企業側の条件

①特定技能外国人と結ぶ雇用契約が適切である
特定技能外国人の雇用条件や報酬は適正でなければなりません。

 

  • 同等の業務に従事する日本人労働者の報酬と同等以上でなければならない
  • 外国人であることを理由に福利厚生や教育訓練の実施などの待遇に差別扱いをしない
  • 分野別技能方針および分野別運用要綱で定める水準を満たす業務に従事させる
  • 労働時間は通常の労働者の所定労働時間と同等である
  • 特定技能外国人から一時帰国の申し出があった場合はやむを得ない場合を除いて、有給休暇が取得できるような配慮をするなど

 

②受け入れ機関自体が適切である
特定技能外国人を受け入れる企業は労働関係の法令等を遵守しており、違反のない適切な労働環境を維持していなければなりません。

 

  • 法令等を遵守し「禁錮以上の刑に処せられた者」などの欠格事由に該当しないこと
  • 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていない
  • 雇用契約締結の1年以内および契約締結後に行方不明者を発生させていない
  • 受け入れ機関が保証金の徴収を定める契約などを締結していない
  • 特定技能外国人の支援にかかる費用を直接または間接的に外国人に負担させない
  • 預貯金口座への振込等により適正に報酬を支払う
  • 労災保険への届出を適切に行っているなど

 

③外国人を支援する体制があること
受け入れ機関は、特定技能外国人が勤務しやすい環境を整える必要があります。

 

  • 特定技能外国人が理解できる言語での情報提供や相談体制が整っている
  • 雇用契約を継続して履行できる体制が整備されているなど

 

④外国人を支援する計画が適切であること
受け入れ機関は特定技能外国人を雇用した後、支援計画にのっとって、支援を継続し、各種届出義務等をはたさなければなりません。

 

  • 出入国在留管理庁への各種届出を怠らない
  • 次の章で解説をする1号特定技能外国人支援計画を作成、実施できるなど

 

⑤特定産業分野ごとに所管省庁が設置する協議会に加入すること(分野により事前・同時・事後のいづれか)
特定技能外国人を受け入れる全ての受入れ機関は、所管省庁が設置する協議会の構成員になることが求められます。協議会に加入することができない場合は、特定技能外国人を受け入れることができません。

 

受入企業は、各省庁が指定する産業分類に適合し、協議会の加入要件も満たすことが必要で、それぞれの協議会により手続きの詳細が異なります。
そのため、外国人受け入れ前に、事前に協議会に加入できるかどうか、いつ加入しなければならないのかを確認しておきましょう。

 

このように、受け入れ期間は適切な待遇で特定技能外国人を雇用しなければなりません。
これらの条件を満たさない場合には、出入国在留管理庁から指導や改善命令を受けたり、外国人の受け入れができなくなる可能性がありますので、充分に注意してください。

 

「受入れ機関の義務」とは

① 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
② 外国人への支援を適切に実施すること
③ 出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出
特定技能外国人の受入れ後は,受入れ状況等について,地方出入国在留管理局及びハローワークに定期又は随時の届出を行うこと

 

受入れ機関がしなければならない届出とは?

◆随時の届出◆
・特定技能雇用契約及び登録支援機関との支援委託契約に係る変更,終了,新たな契約の締結に関する届出
・支援計画の変更に係る届出
・特定技能外国人の受入れ困難時の届出
・出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知った時の届出
・外国人を雇い入れた時または離職した時に氏名や在留資格等の情報を届出(地方出入国在留管理局でなくハローワークに届け出ること)

◆定期の届出◆
・特定技能外国人の受入れ状況や活動状況に関する届出
・支援計画の実施状況に関する届出

支援計画書の作成

特定技能1号は受入れ機関・登録支援機関の支援対象です。
受け入れ機関は、特定技能1号の外国人を受け入れる場合、特定技能外国人が日常生活や業務を円滑に行えるように、サポートしなければなりません。
具体的には、1号特定技能外国人支援計画を作成し実施することが求められます。
1号特定技能外国人支援計画は在留資格の手続きをする際に提出が必要なので、特定技能ビザの申請条件となります。

 

支援計画には以下の内容を記載します。

  • 職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援として必要であるとして省令で定められた10項目の実施内容・方法等
  • 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職等
  • 支援の実施を契約により他の者に委託する場合の当該他の者の氏名及び住所等
  • 登録支援機関(登録支援機関に委託する場合のみ)

支援項目

 

 

外国語の通訳ができる人材を確保しなければならないことや、これらの支援は受け入れ機関にとっても、負担でもあります。
そこで、1号特定技能外国人支援計画の内容は一部、または全部を登録支援機関に委託することが可能となっています。この登録支援機関は、一定の基準を満たし、出入国在留管理庁の長官の登録により認められている機関が該当します。登録支援機関をお探しの方は、以下の出入国在留管理庁のサイト 登録支援機関登録簿 をご参照ください。

ただし、こういった支援に要する費用は、特定技能ビザで働く外国人ではなく、受入機関等が負担しなければなりません。

 

特定技能ビザの申請について

申請の流れ

日本国内の外国人が特定技能ビザを取得するケース

既に日本国内に在留している外国人が特定技能ビザを取得するときには、下記の流れで進めます。

 

①試験に合格または技能実習2号を修了する
外国人側が「2.本人側の特定技能ビザの要件」で解説したとおり、特定技能分野と日本語の試験に合格します。技能実習2号を良好な状態で修了している際は、試験が不要です。

 

②特定技能外国人と受け入れ企業が雇用契約を結ぶ
特定技能外国人と受け入れ企業が雇用契約を締結します。
受け入れ企業は「3.特定技能ビザの受入企業側の要件」で解説した条件等を守らなければなりません。雇用契約が締結したら、14日以内に特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出を提出します。

 

③1号特定技能外国人支援計画を策定
特定技能1号を雇用する場合は、1号特定技能外国人支援計画を策定し実施できるようにします。これらは登録支援機関等で作成してもらうことも可能です。
また、外国人の健康診断や事前ガイダンス等も行います。

 

④在留資格変更許可の申請をする
地方出入国在留管理局に、在留資格変更許可申請をします。

 

⑤在留資格を変更
在留資格の変更ができると「特定技能1号」「特定技能2号」のいずれかに移行され、在留カードと指定書が発行されます。

 

⑥就労の開始
これらの手続きが終わったら、特定技能外国人として就労を開始できます。
就労が開始した後は、出入国在留管理庁の定期報告や随時報告をし、計画内容や雇用条件に変更があった際は、その都度関連書類の提出が必要です。

海外にいる外国人が特定技能ビザを取得するケース

海外に住んでいる外国人を雇用して特定技能ビザを申請する場合は、下記の流れで進めます。

 

①試験に合格または技能実習2号を修了する
外国人側が「2.本人側の特定技能ビザの要件」で解説したとおり、試験に合格をします。技能実習2号を良好な状態で修了している際は、修了後に帰国をしていても特定分野と日本語の試験が免除されます。

 

②特定技能外国人と受け入れ企業が雇用契約を結ぶ
特定技能外国人と受け入れ企業が雇用契約を締結します。このときに受け入れ企業は「3.特定技能ビザの受入企業側の要件」で解説した条件を守らなければなりません。
雇用契約が締結したら、14日以内に特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出を提出します。

 

③1号特定技能外国人支援計画を策定
特定技能1号を雇用する場合は、1号特定技能外国人支援計画を策定し実施できるようにします。これらは登録支援機関等で作成してもらうことも可能です。
また、外国人の健康診断や事前ガイダンス等も行います。

 

④在留資格認定証明書の交付を申請する
地方出入国在留管理局に、在留資格認定申請をします。
申請は無料ですが、標準処理時間は1ヶ月~3ヶ月となっています。

 

⑤在外公館に査証(ビザ)を申請する
在留資格認定証明書を受け取ったら他の必要書類と一緒に在外公館へ提出し、ビザの申請を行います。ビザが発給されたら、在留資格認定証明書の有効期限である3ヶ月以内に日本に入国します。

 

⑥入国・就労の開始
特定技能外国人が入国をしたら、就労が始まります。入国したばかりの特定技能外国人は生活基盤が整っていないため、1号特定技能外国人支援計画に従ってサポートを行います。

標準的な審査期間・所要期間

特定技能ビザ自体の審査期間の標準処理期間は1~3ヶ月程度となっています。
しかし、採用活動を始めてから実際に就労を開始するまでは、3ヶ月~6ヶ月程度かかるケースが多いようです。

特に、初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、登録支援機関に委託する場合には、登録支援機関探しや、協議会の加入等の様々な手続きも必要となりますので、充分な準備期間を設けることをお勧めいたします。

特定技能ビザの必要書類

特定技能ビザ 必要書類(一般的な例)
① 在留資格認定証明書交付申請書 / 在留資格変更許可申請書 1通
② 写真(縦4cm×横3cm)1葉
③ 技能試験に係る合格証明書 / 技能検定3級等の実技試験合格証明書等
④日本語能力試験に係る合格証明書
⑤ 特定技能外国人の健康診断書
⑥ 特定技能外国人の受診者の申告書
⑦特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し ※1
⑧特定技能雇用契約に関する重要事項説明書、雇用の経緯に係る説明書、家賃等徴収費用の説明書(家賃等徴収する場合)、特定技能外国人の報酬に関する説明書 ※2
⑨ 特定技能外国人の報酬額が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上である事の説明書 ※1
⑩ 分野ごとの必要書類
⑪ 所属機関ごとの必要書類
⑫ 支援計画書 ※1
⑬(A)登録支援機関に委託する場合
    支援委託契約書
 (B)支援を自ら行う場合
    支援責任者の履歴書,就任承諾書,支援業務に係る誓約書の写しと支援担当者の履歴書,就任承諾書
    支援業務に係る誓約書の写し
⑭ 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記し、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通

※1 申請人が十分に理解できる言語での記載も必要
※2「一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関」については提出省略

 

特定技能ビザのよくあるご質問

特定技能ビザで働いていますが、転職できますか?
特定技能ビザは、同じ業務原則として特定技能外国人本人が地方出入国在留管理官署の窓口に直接持参する、またはオンラインによる申請を行います。(代理人として許可を得ている場合を除く)オンラインは事前に利用申出の承認を受ける必要があります。
特定技能ビザは正社員ではなく、派遣でも取れますか?
特定技能1号を取得できる外国人の雇用形態は、原則フルタイムか正社員と決められています。派遣での雇用は認められていません。ただし、農業分野または漁業分野に限っては、季節や地域によって繁忙期と閑散期があるため、例外的に派遣として雇用することも可能となっています。
特定技能ビザを持っていますが、将来永住ビザを取ることはできますか?
特定技能1号ビザは、そのまま永住ビザを取ることはできず、特定技能2号ビザの場合にのみ、永住ビザを取得できる可能性があります。 永住許可申請のガイドラインにおいても、永住ビザの要件の一つとして、いわゆる「国益適合要件」 すなわち、「継続して日本で在留10年以上し、そのうち、就労または居住資格をもって、引き続き5年在留すること」が求められています。しかし、ここでいう「就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)」とされており、残念ながら、在留資格「特定技能1号」は、永住ビザの要件の就労5年の要件を満たすことができません。
そのため、特定技能ビザから永住許可の取得を目指す場合には、まずは特定技能2号への移行が必要となります。
特定技能外国人が申請条件を満たす前に内定を出すことは可能ですか?
特定技能試験と日本語試験に合格した後に雇用契約を締結することが一般的ですが、試験の合格前に内定を出すことは法律では禁止されていません。
そのため、特定技能試験と日本語試験に合格をしていなくても企業は内定を出すことができますが、特定技能試験と日本語試験に合格しないと特定技能ビザの申請ができませんので、注意しましょう。
特定技能ビザで申請する家族も日本に呼び寄せることができますか?
特定技能1号では家族の帯同が認められていないので、家族の呼び寄せはできません。
技術・人文知識・国際業務等の就労ビザのように、家族滞在ビザを取得することはできません。そのため、同時に、特定技能ビザと併せて、家族単位でビザ申請をすることもできません。
特定技能2号では一定の条件を満たすと、家族の帯同(呼び寄せ)が可能ですので、家族も一緒にビザを申請することが可能です。
特定技能ビザを取れる外国人は、国籍によって制限がありますか?

技能実習制度とは異なり、人材不足を補うのが目的ですので、制度上、原則として特定技能での受け入れ対象国には制限はありません。

 

ただし、「入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について、自国民の引取り義務を履行しない等、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域」として、告示で定められいる国に関しては、特定技能ビザでの受入れは認められておりません。
令和5年8月時点においては、イラン・イスラム共和国と定められておりますので、イラン・イスラム共和国国籍の外国人は特定技能ビザを取得することはできません。

また、特定技能においては、円滑かつ適正な送出し・受入れの確保をするために、国家間の協定が存在しますので、特に海外から呼び寄せて、初めて特定技能ビザで来日する外国人は、これらの協定国の外国人が多くなっています。 協定国は、2023年10月現在で、フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、 ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア、ラオス、キルギスの16か国となっていますが、詳しくは、出入国在留管理庁特定技能に関する二国間の協力覚書をご参照下さい。

会社が特定技能ビザの従業員を雇うには、何らかの認定手続き等が必要ですか?

特定技能外国人を受け入れる場合には、認定手続き等ではないものの、分野別の協議会の構成員になる必要があります。協議会の入会要件を満たさず、構成員となれない場合には、外国人を受け入れることはできません。

 

この協議会の加入手続きは、在留資格申請前または、申請と同時並行で進めることができる分野もあれば、初めて特定技能外国人を受け入れた日から 4 ヶ月以内に行うとしているところもあります。詳しくは、各産業分野の協議会や、所轄官庁サイトをご確認ください。

 

介護分野(厚生労働省ホームページ) ビルクリーニング分野(厚生労働省ホームページ) 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野(経済産業省ホームページ) 建設分野(国土交通省ホームページ) 造船・舶用工業分野(国土交通省ホームページ) 自動車整備分野(国土交通省ホームページ) 航空分野(国土交通省ホームページ) 宿泊分野(観光庁ホームページ) 農業分野(農林水産省ホームページ) 漁業分野(水産庁ホームページ) 飲食料品製造業分野(農林水産省ホームページ) 外食業分野(農林水産省ホームページ)

特定技能について、詳しく解説されている資料はありますか?

出入国在留管理庁や法務省、各分野の官庁サイト等に沢山の資料がありますので、ご参照ください。

特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和5年8月) 特定技能 ガイドブック(事業者の方へ) 出入国在留管理庁サイト 特定技能運用要領・各種様式等

 

特定技能ビザのサポートと費用

一般のお客様 価格

サポート内容 申請書類チェックプラン
(消費税込み)
申請書類作成プラン
(消費税込み)
安心フルサポートプラン
(消費税込み)
無料相談(初回に限り) 0 円 0 円 0 円
特定技能ビザ「認定」申請サポート 143,000円〜 143,000円〜 143,000円〜
特定技能ビザ「更新」申請サポート 55,000円〜 55,000円〜 55,000円〜
特定技能ビザ「変更」申請サポート 143,000円〜 143,000円〜 143,000円〜

 

登録支援機関等 業者様価格

サポート内容 申請書類チェックプラン
(消費税込み)
申請書類作成プラン
(消費税込み)
安心フルサポートプラン
(消費税込み)
無料相談(初回に限り) 0 円 0 円 0 円
特定技能ビザ「認定」申請サポート 88,000円〜 88,000円〜 88,000円〜
特定技能ビザ「更新」申請サポート 55,000円〜 55,000円〜 55,000円〜
特定技能ビザ「変更」申請サポート 88,000円〜 88,000円〜 88,000円〜

この記事の監修者

柳本 良太
柳本 良太
行政書士・司法書士
行政書士法人やなぎグループ代表社員。
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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