永住者ビザ
永住申請と長期出国
- 2024.05.15
「永住申請をしたいのですが、長期間 本国に帰っていてもいいですか?」 「長期間日本を離れると永住権はとれないと聞きましたが、どのぐらいの日数離れているとダメですか?」 「長期間日本を離れていた場合に、永住権を取得することができるのは、いつになりますか?」 「仕事の出張で、日本を離れることが多いのですが、永住権はとれますか?」 「一度帰国時に在留期間が満了し、再度日本に来て、合計10年以上になります。永住権は取れますか?」 永住権をとりたいという外国人のお客様から、よくこのような 出国に関するご質問をいただきます。 今回は、長期出国と永住権の関係、出国日数に関するよくある質問について、永住申請のプロである申請取次行政書士が説明します!
そもそも、永住権をとりたい外国人の皆さんが、なぜ日本を長期間離れているといけないのか。
それは、日本で永住権を取得するための要件の一つに、
「原則として引き続き10年以上本邦(日本)に在留していること。
ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留してい
ること。」
というものがあるからです。
※ 高度人材の方や高度人材相当のポイントをお持ちの方は、申請に必要な期間が「10年」ではなく、「3年または1年」に短縮されます。
※ 日本人と結婚されている方、日本人の実子などの場合も、同様に期間が短縮されます。 期間短縮に関する情報はこちらも参考にしてください。
法務省・入管の運用について “永住者というのは、その生涯を本邦に生活の本拠をおいて過ごすものである”としています。 そして、 “永住許可において在留歴「10年」及びこのうち就労資格又は居住資格による在留「5年」を要するのは,申請人の在留の態様,家族・親族状況等から見て、我が国(日本)社会との有機的関連が相当強くなっていると考えられ,当該期間の在留をもって我が国社会の構成員として認められるものと評価し得るため” だとしています。 つまり、永住許可申請をする人は、画一的、統一的な判断ではなく、 在留状況や家族の状況、日本への貢献度等を総合的に踏まえた上で、 「生涯を日本の生活の本拠として過ごし」「日本国の利益に合する」と言えるかどうか等がこの居住年数においても、ポイントになるということです。 |
ここでは、
『引き続き原則10年以上日本に在留していること』が条件として要求されていますので、
途切れることなく、日本に10年以上在留していなければなりません。
☑ 一度帰国し、在留資格を失っていた期間がある(継続して在留資格を更新・変更を行っていない)
☑ 出張等で海外滞在日数が多い
こういったケースでは、「引き続き10年以上日本に在留している」という要件を満たせず、永住許可が難しくなってきます。
例えば…
ケース①
「留学」の在留資格で4年日本に滞在した後、1年間帰国して、在留資格を失っていた期間があり(継続して在留資格を更新していない)、その後再び「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に在留して6年経っているという場合、
一度帰国したところで期間はリセットされますので、継続して日本に在留したのは、「6年」のみということになります。
継続して日本に10年以上在留していませんので、この場合は、原則永住は許可されません。
ケース②
一方で、今後増えてくるであろうケースで、
「留学」の在留資格で4年日本に滞在した後、日本で就職活動やコロナ特例等のため「特定活動ビザ」に資格変更して1年滞在し、その後就職して「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に変更し6年経つという場合、この場合には、継続して10年在留にあたると考えられるでしょう。
また、在留資格は途切れていない場合であっても、出張等で出国日数が非常に多く、1年の半分以上の期間を海外で生活しているような場合には、「引き続き10年以上日本に在留」したとはいえません。
この場合、「生活の拠点が日本にない」と判断され、永住申請が認められない可能性高くなります。
Q. では、どのくらいの期間 出国しすると永住許可がされないのでしょうか? |
A. これは前述の通り、期間のみによる画一的・統一的な判断ではありませんが、 原則として入管の運用としては、 ☑ 1回あたり3カ月以上の出国がある これらに当てはまるような場合には、「引き続き」日本に滞在していると認められない可能性が高くなります。 3ヶ月未満なら、日本でも「短期滞在ビザ」で観光や親族訪問、仕事の出張等で入国ができますので、同じように、海外に観光・出張することもあるだろうということですね。 一方、3ヶ月未満であっても、合計100日以上も日本を離れるとなると、生活の本拠が日本にあるとは認められにくくなるということです。 ※これら運用は、申請に必要な期間が短縮される人(高度人材・配偶者ビザ)にも同様に適用して考えられます。 |
Q. 出国理由がどんな理由でも「引き続き」滞在していると認められないのでしょうか? |
A. 前述の通り、形式的に1回3ヶ月や年間100日の出国期間が経過していたら、 直ちに「引き続き居住していた期間」がリセットされるというわけではありませんし、「出国理由」が、正当な理由だからといって、「引き続き」滞在していると認めるかとうかが判断されるわけでもありません。
そのため、この出国理由が、会社の指令による出張や転勤など自分の意思ではない出国であったとしても、居住要件が「引き続き」と認められないことも多数あります。 出国日数が多い方は、ビザ申請を専門にしている行政書士に相談することをおススメします! |
Q. 長期出国してしまった場合、滞在期間はリセットされてしまうのでしょうか? |
A. 基本的には、リセットされてしまい、長期出国後、再入国してから10年間の滞在が必要となります。 その場合は、原則としては、長期出国後、再入国してから10年以上の滞在後に永住申請するのが良いでしょう。 しかし、この滞在期間期間に関しては、一つ前の質問の回答の通り、形式的に判断されるわけではなく、総合的に判断されます。 「申請人の在留の態様,家族・親族状況等から見て、日本社会との有機的関連が相当強くなっていると考えられ,日本社会の構成員として認められるものと評価し得る場合」には、 例えば、 出国日数が多い場合にも、あきらめずに、専門の行政書士等に早めに相談しましょう。 |
まとめ
永住申請は年々要件が厳しくなっている傾向があり、長期出国についての取り扱いも変わっていく可能性もあります。
また、永住申請は、特に総合的な判断をされますので、要件のみならず、様々なことが影響し、許可の可否が変わります。
永住申請を考えている方は、まだ要件を満たしていなくてもお早めにご相談ください。
弊所グループは、大阪事務所(阿倍野・天王寺)と東京(渋谷区・恵比寿)を拠点に活動しており、出張相談・オンライン相談もお受けしております。
永住許可申請、帰化許可申請、就労ビザ申請、留学ビザ申請、経営・管理ビザ申請など入管(出入国管理局)への手続きとそれに伴う起業にかかる様々な手続き、在留資格に関わるビザ更新の手続き等をワンストップ行っております。日本語でのご相談にご不安の方は、ベトナム・ネパール・中国・バングラデシュ・英語圏等様々な各国通訳者が在籍しておりますので、ご安心してご相談下さい。
まずは、在留資格、ビザのことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、些細なことでも結構ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
フリーダイヤル:0120-138-552
英語対応専用電話:080-9346-2991
中国語対応専用電話:090-8456-6196
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※ネパール語・ベンガル語でのご相談希望者の方は、事前にお問合せフォームやSNSを通じてその旨お知らせ下さい。こちらから通訳者より、お電話させて頂きます。
この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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