就労ビザ
就労ビザ~技術・人文知識・国際業務 IT~
- 2024.05.14
“就労ビザ”、日本で働きたい外国人の方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。 簡単に言うと、就労ビザとは、外国人が日本で働くために必要な許可証です。 日本人は日本で自由に働くことができますが、外国人は就労ビザや就労ができる種類の適切なビザがなければ、日本で働くことができません。 しかし、就労ビザといっても、その種類は多岐にわたりますので、それぞれのビザで働ける職種や取得の条件を数回にわたり詳しく解説していきます。 今回は“技術・人文知識・国際業務”でITの職種に就くケースに焦点を当てたいと思います。
“技術・人文知識・国際業務”でITの職種に就ける?
“技術・人文知識・国際業務”在留資格を持っていれば、IT系の仕事に就くことは可能です。
IT関連の職種は「技術」の分野に該当します。具体例としては、以下のような仕事が当てはまります。
例えば…
・システムエンジニア
・プログラマー
・ソフトウェア開発
等のようなIT分野に属する知識を必要とする業務
★文系でもIT関連の職種に就ける
IT関連の仕事は、理科系の知識が必要な理科系分野の仕事と思われがちですが、実は人文科学の分野に属する知識を必要とする場合もあります。つまり文系でもIT関連の仕事に就くことができます。この場合、「技術」ではなく、「人文知識・国際業務」の方に該当します。
例えば…
・翻訳ソフトの開発など
コンピュータソフトウェア開発などのIT系の仕事に従事したいが、大学で文系を専攻していたとしても、「技術」に該当する職種に就けることをあきらめる必要はありません。仕事内容が専攻科目と関連性がある事をきちんと証明することができれば、「人文知識・国際業務」該当のIT系の仕事に就く可能性もあります。
IT関連の職種に就くための“技術・人文知識・国際業務”の取得条件
☑学歴要件
➡大学卒業
業務に関連する科目を専攻し卒業している者。
*大学のほか、日本または海外の短期大学、大学院、大学の付属の研究所を卒業している者も含まれます。
*インドにおけるDOEACC(ドアック制度)の資格レベルA、B、Cを保有する者も含まれます。
➡専修学校修了者 業務に関連する科目を専攻して日本の専門課程を修了し、「専門士」または「高度専門士」の称号を持っている者。
☑職歴要件
業務について10年以上の実務経験を有し必要な知識を修得している者であること。
*大学、高等専門学校等において、業務に関連する科目を専攻していた場合は、その期間は実務経験に含めることができます。
ここで注意が必要なのは、業務に関連性があるかどうかです。
実務経験を証明するためには、在職証明書が必要となります。
在職証明書が偽装されることが多いため、入管では、慎重に審査されます。
★法務大臣告示(IT告示)で定める下記の情報処理技術に関する資格者は学歴要件や職歴要件が不要になります。その際、試験又は資格の合格証書又は資格証書を提出する必要があります。
日本 | イ、情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)に基づき経済産業大臣が実施する情報処理安全確保支援士試験 |
ロ、情報処理の促進に関する法律に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験のうち次に掲げるもの (1) ITストラテジスト試験 (2) システムアーキテクト試験 (3) プロジェクトマネージャ試験 (4) ネットワークスペシャリスト試験 (5) データベーススペシャリスト試験 (6) エンベデッドシステムスペシャリスト試験 (7) ITサービスマネージャ試験 (8) システム監査技術者試験 (9) 応用情報技術者試験 (10) 基本情報技術者試験 (11) 情報セキュリティマネジメント試験 |
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ハ、通商産業大臣又は経済産業大臣が実施した情報処理技術者試験で次に掲げるもの (1) 第一種情報処理技術者認定試験 (2) 第二種情報処理技術者認定試験 (3) 第一種情報処理技術者試験 (4) 第二種情報処理技術者試験 (5) 特種情報処理技術者試験 (6) 情報処理システム監査技術者試験 (7) オンライン情報処理技術者試験 (8) ネットワークスペシャリスト試験 (9) システム運用管理エンジニア試験 (10) プロダクションエンジニア試験 (11) データベーススペシャリスト試験 (12) マイコン応用システムエンジニア試験 (13) システムアナリスト試験 (14) システム監査技術者試験 (15) アプリケーションエンジニア試験 (16) プロジェクトマネージャ試験 (17) 上級システムアドミニストレータ試験 (18) ソフトウェア開発技術者試験 (19) テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験 (20) テクニカルエンジニア(データベース)試験 (21) テクニカルエンジニア(システム管理)試験 (22) テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験 (23) テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験 (24) 情報セキュリティアドミニストレータ試験 (25) 情報セキュリティスペシャリスト試験 |
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中国 | イ、中国工業和信息化部教育与考試中心が実施する試験のうち次に掲げるもの (1) 系統分析師(システム・アナリスト) (2) 信息系統項目管理師(インフォメーション・システム・プロジェクト・マネージャ) (3) 系統架構設計師(システム・アーキテクト) (4) 軟件設計師(ソフトウェア設計エンジニア) (5) 網絡工程師(ネットワーク・エンジニア) (6) 数据庫系統工程師(データベース・システム・エンジニア) (7) 程序員(プログラマ) |
ロ、中国信息産業部電子教育中心又は中国工業和信息化部電子教育与考試中心が実施した試験のうち次に掲げるもの (1) 系統分析員(システム・アナリスト) (2) 高級程序員(ソフトウェア・エンジニア) (3) 系統分析師(システム・アナリスト) (4) 軟件設計師(ソフトウェア設計エンジニア) (5) 網絡工程師(ネットワーク・エンジニア) (6) 数据庫系統工程師(データベース・システム・エンジニア) (7) 程序員(プログラマ) |
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フィリピン |
イ、フィリピン国家情報技術標準財団(PhilNITS)が実施する試験のうち次に掲げるもの (1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 (2) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
ロ フィリピン・日本情報技術標準試験財団(JITSE Phil)が実施した基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 | |
ベトナム | ハイテクインキュベーショントレーニングセンター(HITC)が実施する試験のうち次に掲げるもの (1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 (2) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
ロ、ベトナム情報技術試験訓練支援センター(VITEC)又はベトナム訓練試験センター(VITEC)が実施した試験のうち次に掲げるもの (1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 (2) ソフトウェア開発技術者(ソフトウェア・デザイン・アンド・ディベロップメント・エンジニア)試験 (3) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
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ミャンマー | ミャンマーにおけるミャンマーコンピュータ連盟(MCF)が実施する試験のうち次に掲げるもの イ、 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 ロ、 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
台湾 | 台湾における財団法人資訊工業策進会(III)が実施した試験のうち次に掲げるもの イ、 軟体設計専業人員(ソフトウェア・デザイン・アンド・ディベロップメント・IT・エキスパート)試験 ロ、 網路通訊専業人員(ネットワーク・コミュニケーション・IT・エキスパート)試験 ハ、 資訊安全管理専業人員(インフォメーション・システム・セキュリティー・IT・エキスパート)試験 |
マレーシア | マレーシアにおけるマルチメディア技術促進本部(METEOR)が実施する基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・プロフェッショナル)試験 |
タイ | タイにおける試験で次に掲げるもの イ、国立科学技術開発庁(NSTDA)が実施する試験のうち次に掲げるもの (1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 (2) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 ロ、国立電子コンピュータ技術センター(NECTEC)が実施した基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
モンゴル | モンゴルにおけるモンゴル国立ITパーク(NITP)が実施する試験のうち次に掲げるもの イ、基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 ロ、応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
バングラデシュ | バングラデシュにおけるバングラデシュコンピュータ評議会(BCC)が実施する試験のうち次に掲げるもの イ、 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 ロ、 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 |
シンガポール | シンガポールにおけるシンガポールコンピューターソサイエティ(SCS)が認定するサーティファイド・IT・プロジェクト・マネージャ(CITPM) |
韓国 | 韓国における韓国産業人力公団が認定する資格のうち次に掲げるもの イ、情報処理技師(エンジニア・インフォメーション・プロセシング) ロ、情報処理産業技師(インダストリアル・エンジニア・インフォメーション・プロセシング) |
参照元:https://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_hourei_h09.html
ご自分の業務経験の関連性にご不安な方はぜひ一度ご連絡いただければと思います。
☑ 報酬
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であること。
まとめ
今回はIT関連の仕事をするための“技術・人文知識・国際業務”在留資格を取得する際の注意点、就業可能な職種やその要件について説明しました。
近年日本ではITエンジニアの労働力不足が問題となっているため、多くの外国人が技人国ビザを取得し、IT関連の仕事に従事しています。
日本でIT関連の仕事をしたいと考えておられるのであれば、“技術・人文知識・国際業務”在留資格を取得することを検討してみてはいかがでしょうか。
ご自分の業務経験の関連性にご不安な方、また取得手続きの面でご不安を感じられている方はぜひ一度弊事務所にご連絡ください。
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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