就労ビザ
就労ビザ~技術・人文知識・国際業務 自動車整備~
- 2024.05.14
外国人が日本にある会社で自動車整備関連の仕事に就くためには、就労ビザを取得する必要があります
“就労ビザ”、日本で働きたい外国人の方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
簡単に言うと、就労ビザとは、外国人が日本で働くために必要な許可証です。
日本人は日本で自由に働くことができますが、外国人は就労ビザや就労ができる種類の適切なビザがなければ、日本で働くことができません。
しかし、就労ビザといっても、その種類は多岐にわたりますので、それぞれのビザで働ける職種や取得の条件を数回にわたり詳しく解説していきます。
では自動車整備士になりたい場合、どの就労ビザを取得できるのでしょうか。
実は、自動車整備の職種に就くための就労ビザは複数あります。
今回は就労ビザの代表格でもある“技術・人文知識・国際業務”の在留資格で自動車整備の仕事に就くケースに焦点を当てたいと思います。
“技術・人文知識・国際業務”ビザで自動車整備の仕事に就ける?
“技術・人文知識・国際業務”の在留資格で自動車整備の仕事に就くことはできますが、必ずしも許可が下りるというわけではありません。
自動車整備士の資格は国家資格ですので、少し意外に思われた方も多いかもしれません。
実は、自動車整備などの仕事は単純労働との限界が問題になる事例の一つでもあり、厳しく審査される傾向にあります。
ポイントは“技術・人文知識・国際業務”として在留資格該当性がある業務に従事しているかどうかです。
具体的には、
・自動車整備士2級以上の資格があり、資格がない整備工や3級整備士に指導や監督をする業務
・将来的に整備主任者になる予定のポジション
尚、以下のような仕事は単純労働と見なされ、不許可の可能性が高いです。
・右ハンドル車を左ハンドル車に改造する作業のみの仕事
・分解、洗浄、部品交換などの作業のみの仕事
★許可事例:
日本の自動車整備科を卒業し、日本の自動車の点検整備・配送・保管を業務内容とする会社に雇用され、サービスエンジニアとしてエンジンやブレーキなどの点検・整備・分解などの業務に加え、自動車検査員としての業務に携わる場合
このように、“技術・人文知識・国際業務”の在留資格で自動車整備の仕事に就く場合、職務内容が単純労働ではなく、専門性を含んでいるかどうかが重要になります。
また、仕事内容だけではなく、会社の経営状態や給与等も審査の対象となりますので、注意が必要です。
“技術・人文知識・国際業務”ビザで自動車整備の仕事に就くための条件
☑学歴要件
➡大学卒業
日本もしくは海外の大学で業務に関連する科目を専攻し卒業している者。
例:日本の大学で自動車整備を専攻/海外の大学で機械工学を専攻
➡専修学校修了者
業務に関連する科目を専攻して日本の専門課程を修了し、「専門士」または「高度専門士」の称号を持っている者。
例:日本の自動車整備の専門学校など
☑職歴要件
業務について10年以上の実務経験を有し必要な知識を修得している者であること。
*大学、高等専門学校等において、業務に関連する科目を専攻していた場合は、その期間は実務経験に含めることができます。
ここで注意が必要なのは、業務に関連性があるかどうかです。
実務経験を証明するためには、在職証明書が必要となります。
在職証明書が偽装されることが多いため、入管では、慎重に審査されます。
ご自分の業務経験の関連性にご不安な方はぜひ一度ご連絡いただければと思います。
☑ 報酬
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であること。
まとめ
今回は自動車整備の仕事で“技術・人文知識・国際業務”の在留資格を取得する際の注意点、就業可能な職種やその要件について説明しました。
上記でも述べたように、“技術・人文知識・国際業務”在留資格で自動車整備の仕事をする場合、就ける業務は専攻と関連性が求められるため、かなり限定的になります。
また、“技術・人文知識・国際業務”の取得が難しい方も、特定技能1号や特定活動46号の在留資格を取得できる可能性がございます。
ご自分の学歴や業務内容の関連性にご不安な方、また取得手続きの面でご不安を感じられている方はぜひ一度弊事務所にご連絡ください。
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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