永住者ビザ
扶養とは?配偶者ビザの方が永住申請する場合の注意点
- 2024.05.15
近年、ガイドラインの改定により、以前よりも永住申請の審査が厳しくなったという声をよく耳にするようになりました。審査が厳しくなった影響なのか、これまで許可されていたケースにもかかわらず、不許可になってしまうケースが増加しています。そこで今回は実際に弊社で相談のあった事例をもとに、扶養を受けている方(配偶者ビザ・家族滞在ビザの方)が永住申請する際の注意点を説明します。
今回の事例の説明
永住者の男性と結婚しており、永住者の配偶者等ビザをお持ちの女性(以下、Aさん)から、「永住申請をしたが不許可になってしまったので、再度申請をお願いしたい。」という内容の相談がありました。不許可理由を聞くと、どうやらAさんが配偶者の扶養に入っていることが問題のようでした。
扶養とビザの関係
①そもそも扶養とは?扶養控除とは?
“扶養”とは、経済的に自立していない親族に対して経済的援助を行い養うことを言い、親族や家族を扶養している人を「扶養者」と呼び、扶養されている人を「被扶養者」と呼びます。
日本の所得税や社会保険(健康保険と厚生年金保険)では、“扶養”の考えが適用されており、被扶養者(扶養される人)の有無や人数に応じて、課税所得の軽減や、家族分の保険料が控除(免除)される仕組みになっています。この控除とは、被扶養者が就労していても一定の金額までの収入であれば、税務面で優遇(控除)を受けることが出来る仕組みの事です。
扶養控除には、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つがあり、それぞれ要件が異なります。被扶養者の収入金額によっては、ご家族の社会保険上の扶養を受け、保険証を持っている場合、その扶養を外さないといけない場合もあるので、注意が必要です。もちろん、入管(出入国管理局)は、税制上と社会保険上どちらの扶養についても確認しています。
②扶養とビザの関係
家族滞在ビザを取得する要件の1つに、「扶養を受ける配偶者又は子であること」といった要件があります。家族滞在ビザで認められている活動は、「日常範囲内の生活」に限定されているため、働く場合は資格外許可を得る必要があり、週28時間以内の就労が認められています。
では、今回の事例のAさん(永住者の配偶者等ビザ)の場合はどうでしょうか。配偶者ビザ(永住者の配偶者等ビザや日本人の配偶者等ビザ)の場合は、就労に制限はなく、家族滞在ビザと違って必ずしも扶養を受けている必要はありません。
今回の事例のポイント
~扶養を受けている方が永住申請する際の注意点~
上記の内容を踏まえて、今回の事例を解説していきます。
Aさんが配偶者の扶養を受けていることが問題でしたので、まずはAさんの収入を確認しました。課税証明書を確認するとAさんの昨年の収入は0円で一見問題ないように感じましたが、実はAさんには日本国外での収入があったのです。
日本国外での収入については非常に難しい問題ですが、国税庁のHPによると今回のAさんの場合、国外で得た収入が課税対象であったのにも関わらずに申告しておらず、配偶者の扶養を受けていたことが問題でした。Aさんは収入を隠していたわけではないので、大事にはならず、修正申告をして、無事永住申請を取得することができました。
※国外で得た所得の申告についての詳しい情報は、下記(国税庁のHP)をご覧ください。 国税庁HP (別添6)居住者が国外で得た所得の申告について (https://www.nta.go.jp/about/organization/osaka/release/hodo/h28/kakutei_shinkoku/betten_06.htm)国税庁HP 納税義務者となる個人 (https://www.nta.go.jp/about/organization/osaka/release/hodo/h28/kakutei_shinkoku/betten_06.htm)
まとめ
今回の事案では、国外での収入が問題となっていましたが、扶養の関係で国内での収入が問題になるケースもございます。家族滞在ビザをお持ちの方は、労働時間の週28時間を守っていても、扶養の範囲内の収入に収まらないケースもあります。ご自身やご家族の収入や扶養について心配な点がある方は、ぜひ一度ご相談ください!
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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