日本での在留
外国人の銀行口座開設時の必要書類や注意事項について
- 2024.05.14
今回は、外国人の方 来日時の最初の難関 “外国人の銀行の口座開設時の必要書類・流れや注意事項・各銀行の特徴について” 解説します。 日本で銀行口座を開設したいと考えている外国人の方は、ぜひご参考ください。
外国人が日本の銀行で口座開設時に必要な資料
日本で銀行口座を開設するためには、基本的に本人確認書類(在留カード)、現住所を証明できるもの、印鑑が必要です。 本人によるサインのみで口座を開設できる銀行もありますが、事前に印鑑を用意しておいたほうが良いでしょう。
本人確認書類
有効期限内の在留カード、特別永住者証明書、健康保険証、パスポート、運転免許証など(※補足書類として、学生証、社員証が必要となる場合もありますので、事前に用意したほうが良いでしょう。)
現住所を証明できる物
住所記載のある在留カード・特別永住者証明書、または携帯電話、水道・ガス・電気料金の領収書や請求書の原本(コピー不可)
印鑑
中国の某通販サイトでも安い値段で注文可能です。 日本国内でも多数のハンコ屋はありますが、海外の方が安価で手に入るため、 念のため、予め来日前に「実印、銀行印、認印」三つの印鑑を作っておくのがお勧めです。
連絡可能な電話番号
連絡可能な電話番号を持っていないと、口座が開設できない銀行もありますので、注意してください。
口座開設時の主な流れ
1. 各銀行や当日の混み具合により異なりますが、一般的には、口座開設の流れ全体は30分から1時間程かかりますので、余裕をもって銀行にお越しください。
2. 各銀行では、あらゆる外国語対応のできる方が常駐しているとは限りません。口座開設時には、「反社会的勢力であるかでないか」や「口座の開設目的や使用用途」、「税金の支払いを外国で行うのか、日本で行うのか」といった質問を聞かれたり、書類にサインを行うことになりますので、事前に回答の準備をしておいてください。
3.海外の親族からの仕送りをもらう予定の方は、申込時に海外からの送金の方法と注意点を聞いたほうが良いでしょう。
4.日本の銀行キャッシュカードの暗証番号は4桁の場合が多いので、銀行へ口座開設に行く前に、予め頭で4桁の暗証番号を考えておいてください。
金融機関・銀行の特徴
●新生銀行
ネット申し込みが可能で、全て英語表記されておりますので、日本語でのコミュニケーションが困難な方にお勧めです。手続きは、オンラインで必要事項を記入後、必要書類を郵送すれば完了します。ネットバンキングなので通帳はなく、手元にはキャッシュカード、セキュリティカード、利用ガイドが届きます。また、海外送金・海外からの送金の受け取りの際は別途手続きが必要です。
・ 口座開設に必要な書類:在留期間1年以上の在留カード、特別永住者証明書、交付後6か月以上の運転免許証、外国人住民の住民票の写し、公共料金・携帯電話の領収書や請求書の原本、本人連絡可能な電話番号
・ 開設にかかる日数:約1週間
・ 利用できるATM:新生銀行、セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行、三井住友信託銀行、あおぞら銀行、三菱UFJ信託銀行
・ ATM引出手数料:1回につき108円(新生ゴールド、プラチナカードの場合は手数料無料)
・ 海外送金手数料:2,000円+送金金額の0.1%(別途手続きが必要)
●住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、顧客度満足度で常に上位の三井住友信託銀行とSBIホールディングスが出資し設立された銀行です。口座開設はネットで完結し、必要書類を郵送する必要はありません。実在する店舗はなく、審査に通過するとキャッシュカードが発送され、顔写真つきの本人確認書類を提示すれば受け取ることができます。 他銀行に比べると預金金利、他銀行あての振り込み手数料の無料回数が多いです。しかし、海外入金はできますが、海外送金はできません。 Visaデビット付キャッシュカードを選択できますので、クレジットカードを持っていない外国人の方におすすめです。
・口座開設に必要な書類:在留期間内の在留カード、特別永住者証明書(※パスポート、学生証、社員証は不可)
・開設にかかる日数:約1週間
・利用できるATM:セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATM、イオン銀行、ゆうちょ銀行
・ATM引出手数料:ランクに応じて合計で月2~15回無料(それ以降は1回につき108円)
・海外送金手数料:不可
●三菱UFJ銀行
日本最大手の銀行で、信頼性も安定性もトップクラスです。実店舗がないネット銀行を利用するのに不安を持っている方におすすめです。 インターネットバンキングも申し込みでき、24時間振り込みも可能なため、実店舗だけでなくネットバンキングを利用したいという方におすすめです。海外の送金・入金も可能です。 ただし、ご自宅、学校、勤務先の近くの店舗以外で、口座を開設する場合、断られる可能性が高いので、近くの店舗で口座を開設しましょう。
・口座開設に必要な書類:有効期限内の在留カード、特別永住者証明書、運転免許証、印鑑、パスポート(健康保険証、学生証、社員証などの提示が必要な場合もあり)
・開設にかかる日数:約1週間
・利用できるATM:三菱UFJ銀行、セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATM、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行
・ATM引出手数料:利用時間内(平日8:45~18:00)三菱UFJ銀行、セブン銀行、インターネット(Enet)、ローソンATMは無料、利用時間外は1回につき108円
・海外送金手数料:3,500~4,000円+送金金額の0.05%(最低2,500円)
●ゆうちょ銀行
口座を開設しようと思った外国人にとって、最もハードルが低い銀行です。 口座開設に必要なものを揃えれば、すぐ口座を開設することができます。ただし、日本での滞在期間が6ヶ月未満の場合、海外送金・入金ができません。母国からの仕送りに頼る留学生には、少し不便ですが、留学資金の盗難や紛失の心配が少なく、安心できます。 ゆうちょ銀行の店舗数やATM 設置台数が多く、日本全国の郵便局にも店舗がありますので、引越しでも困りません。窓口や郵送でゆうちょダイレクトを申込めば、ゆうちょダイレクトによるゆうちょ銀行口座間の振込手数料は月5回まで無料。しかも、祝日・休日の振込でも即時に入金が反映します。
●りそな銀行
りそな銀行では、店舗で口座開設する場合は、最短30分で口座開設ができます。また、印鑑がなくても口座を作ることができます。海外送金、入金はもちろん、全国のATMで預金の引き出しができます。ATMの数は全国で約5,000拠点あり、たまったポイントはWAON、nanacoなどに交換できます。 ただし、店舗は全国にあるという訳ではないため注意が必要です。インターネットバンキングもありますので近くに店舗がない場合は利用しましょう。
・口座開設に必要な書類:有効期限内の在留カード、特別永住者証明書、運転免許証 、パスポート、外国人登録証明書、その他公共機関の発行する顔写真付の証明書 健康保険証、携帯電話番号、メールアドレス
・開設にかかる日数:本人確認書類を郵送する場合は約2~3週間、店舗の場合は約30分
注意事項
観光ビザなど短期滞在(90日以内)の非居住者の外国人は、日本で銀行口座を開設することができません。しかし、実際には、同じ銀行でも、店舗によって微妙に基準が異なるため、外国人留学生やワーキングホリデーの外国人が銀行口座を開設する際は、複数の銀行に申請を出してみると良いでしょう。 また、外国人が比較的に開設しやすい銀行やご自宅、学校、勤務先の近くの支店で申し込むと、銀行口座を開設できる可能性が上がります。
最後に・・・ (外国人の方が銀行口座開設するメリット)
外国人の方にとって、銀行口座開設となると、「言葉も通じない」、「難しい言葉で書類に何が書いてあるのか分からない」、「必要書類を集めることが難しい」、「手続きをする時間がない」・・・という方も多いかもしれません。 日本は安全で犯罪率の低い国とはいえ、やはり大金を持ち歩くのは危険です。日本でも諸外国と同様に、電子マネー・クレジット決済が随分進んできましたが、それでも現金払いしかできない場所も多いですので、日本では現金は必須といえるでしょう。
また、日本で就業する場合には、給与は振込による支払いとなっており、銀行口座を設けるよう指定される企業も多くなっています。(企業により銀行を指定されることもありますので、ご確認ください) さらに、日本で90日以上滞在する場合は日本の銀行口座を開設しておけば、奨学金や給料の受取はもちろん、家賃、電話料金、水道電気代などの支払は口座振替で済ませることができますので、大変便利です。
そのため、留学や、ワーキングホリデー、仕事などで、日本に長期滞在(90日以上)する場合には、最初は少し大変でも、日本の銀行口座を開設しておくのことをお勧めします。
弊所は、財産管理の専門家である司法書士兼行政書士と、外国語対応可能なスタッフが外国人向けの生活支援サポート(同行サービス)を行っておりますので、ご自身で手続きが難しい場合や、銀行でのコミュニケーションがご不安な方は、お気軽に弊所までご相談ください。
弊所グループは、大阪事務所(阿倍野・天王寺)、東京(渋谷区・恵比寿)を拠点に活動しており、出張相談・オンライン相談もお受けしております。
弊社グループでは、永住許可申請、帰化許可申請、就労ビザ申請、留学ビザ申請、経営・管理ビザ申請など入管(出入国管理局)への在留資格に関わる手続きをはじめ、グループ内の様々な専門家が起業・会社経営にかかる様々な手続きをワンストップで行っております。日本語でのご相談に不安がある外国人の方には、中国・英語圏・ベトナム・ネパール・バングラデシュ(ベンガル語)等様々な各国通訳者が在籍しておりますので、安心してご相談下さい。
※ネパール語・ベンガル語でのご相談希望者の方は、事前にお問合せフォームやSNSを通じてその旨お知らせ下さい。こちらから通訳者より、お電話させて頂きます。
現在弊社は大阪事務所(阿倍野・天王寺)、東京(渋谷区・恵比寿)を拠点に活動しており、出張相談・オンライン相談もお受けしております。
もし在留資格、ビザのことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、些細なことでも結構ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
フリーダイヤル:0120-138-552
英語対応専用電話:080-9346-2991
中国語対応専用電話:090-8456-6196
韓国語対応専用電話:090-8448-2133
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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