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2023年法改正による電動キックボードの交通ルール変更と注意点
- 2024.05.17
2023年7月1日から、法改正により電動キックボードに新たな交通ルールが適用されました。これまで電動キックボードは原付のルールが適用されていましたが、新たに「特定原付」という区分が設けられ、より緩やかなルールで、より気軽に電動キックボードを利用することができるようになります。
今回の法改正により、電動キックボードのルールにどのような変化があったのかを簡単に紹介させていただきます。
まず、2023年7月1日の法改正で一番の変更点となるのは、原付の区分が従来の1種類から、2種類に拡大されることです。
①「一般原動機付自転車(以下「一般原付」)(従来)
二輪車のうち排気量125cc以下のものを原付として定められ、 このうち排気量50cc以下を「第一種原動機付自転車」、50ccを超え125cc以下の二輪車を「第二種原動機付自転車」としています。法改正するまでは、電動キックボードの取り扱いは「一般原付」となるわけで、勿論免許等、運転するのにそれなりの要件を満たす必要がありました。
②「特定小型原動機付自転車(以下「特定原付」)」(2023年7月1日から拡大)
2023年7月1日の法改正により、一定の要件を満たす電動キックボードは従来の「一般原付」から「特定原付」に、取り扱い区分が拡大されました。
これまでは原付のルールが適用されましたが、新区分で条件が見直され、より気軽にキックボードを楽しむことができるようになります。
【適用要件】:
・車両は長さ190cm以下・幅60cm以下
・電動の原動機で定格出力が0.6kW以下
・最高速度は20km/h以下
・車両走行中に速度設定ができない構造
・AT機構の車両
・最高スビート表示灯搭載
・道路運送車両法で定められた保安部品を装着
特定原付の認定を受けるのは上記のように、沢山の要件を満たさねばなりません。
一方で、特定原付認定車両なら「ヘルメット着用が努力義務」、「自転車レーンの通行可能」、「運転免許不要」の恩恵を受けることができ、より気軽に電動キックボードを利用することができるようになりました。
さらに、特定原付のうち、次の①~⑤の要件いずれにも該当するものであれば、特例特定小型原動機付自転車(以下「特例特定原付」)」として認めらます。特例特定原付として認められれば、歩道の通行も可能となり、電気キックボードの使い勝手がより一段よくなります。
【要件】:
①歩道等を通行する間、最高速度表示灯を点滅させていること
②最高速度表示灯を点滅させている間は、車体の構造上、6キロメートル毎時を超える速度を出すことができないものであること
※アクセルの操作により特定小型原動機付自転車を6キロメートル毎時を超えない速度で走行させている場合は、この要件を満たすものではないため、特例特定小型原動機付自転車には該当しません。
③側車を付けていないこと
④ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあること
⑤鋭い突出部のないこと
【特定原付の運転に特に注意すべくポイント】
①車両を持っていれば運転できるものではなく、一般原付と同様に自賠責保険の加入とナンバープレートの装着が必要であることに加え、16歳以上でなければならない。
②特定原付の通行できる場所は車道および自転車専用通行帯であり、歩道の通行は禁止されています。走行中は緑色の最高速度表示灯を点灯させる必要があります。特定原付も交通ルールを守らなければならず、二段階右折をする必要があり、酒気帯び運転、ながら運転などは罰則の対象となります。また、特定原付は16歳未満への貸与や譲渡も禁止されています。
③特例特定原付と呼ばれる区分では、特定原付よりも緩やかな交通ルールが適用され、歩道の通行が認められます。ただし、特例特定原付は時速6km/h以下までしか出すことができない構造であり、歩道を通行する際に最高速度表示灯が点滅する仕組みになっている車両でなければ認められません。
【違反罰則について】
「ヘルメットも免許もいらない、自転車よりも緩いではありませんか?」と思ったら危険です。電動キックボードは乗りやすい半面、実は罰則もしっかり設けられています。
<罰則例>
①16歳未満の者の運転または16歳未満の者に対して特定原付を提供すること
⇨ 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
②飲酒運転
⇨ 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金等
③二人乗り
⇨ 5万円以下の罰金等
④信号違反
⇨ 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
…
実例として、新制度移行後わずか一週間も経たない時点で、電動キックボードとトラックの衝突事故がすでに起きてしまっています。
その電動キックボードを運転していた男性からは基準値を超えるアルコールが検出され、警察は道交法違反容疑を視野に調べる方向に進んでいることから、今後も違反への取締は厳しく行われるのであろうと予想がつきます。
上記罰則例のように、電動キックボードを購入しようと考えている場合は、特定原付および特例特定原付のルールを確認し、法改正による交通ルールをしっかりと守って運転することが重要であることはご理解いただけましたでしょうか?
特に在日外国人の方は油断したら危険です。ことの重大さにもよりますが、懲役等の判決を受けた場合、退去強制(俗にいう強制送還)の対象になりえます。軽度の違反でも記録が残れば、在留資格の更新・変更、永住申請等に不利に働くこともあります。
電動キックボードは自動車と異なり、運転手を保護する車体も安全装置も搭載されません。重大な事故を起こしやすい面で見ても、軽い気持ちで運転せず、自動車と同等か、それ以上に慎重な気持ちで安全運転を意識しましょう!
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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