留学ビザ
在留資格の「所属機関等に関する届出手続」とは?入管への届出
- 2024.05.15
11月の日本留学試験の成績発表につれ、多くの留学生はそれぞれ入学予定の大学への進学準備で忙しく過ごされているかと思います。大変な就職活動を終えた留学生の皆さんも中にはおられるのではないでしょうか。大学や大学院に合格した後・就職先から内定をもらった後も毎日日本語学校に通い続けるべきか、という非常に悩ましい選択に直面する学生も多いのではないでしょうか。では、これを機に今回上記のトピックについてお話したいと思います。
在留資格の更新・変更について
今回は「留学」在留資格を例として、在留資格の「所属機関等に関する届出手続」を説明させて頂きます。
日本の進学時期は一般的に二シーズンに分かれており、秋季入試と春季入試となっています。詳細は以下のとおりです。
「秋季入試」:8―12月合格し、翌年4月入学(今回は来年春期入学について説明します)
「春季入試」:12―3月合格し、同年4月入学
上記のように、大学や大学院の合格通知を受けてから正式に入学するまでは長くて半年、短くても一か月から二か月もの期間が空きます。
日本で進学する学生にとって、これから帰国したり旅行したり、新しい住居探しや引っ越しなど次のステップに向けて準備を始めたいと思う学生をたくさんおられる一方、一番大事なのはこれからの「留学」在留資格更新(・変更)手続きです。
「留学」の在留資格を得て、日本で生活する限りは、たとえ進学先に合格した後であっても、授業に出席せずに、アルバイトや旅行等ばかりしてしまってはいけません。
留学生の皆さんは、気をつけておられるかと思いますが、出席率が低かったり、資格外活動許可で認められたアルバイトの時間数を超えて就労してしまうと、在留資格の更新に影響がある場合がありますので、十分にお気をつけください。
また、在留資格の更新で他に影響がある事柄で、留学生の皆さんがうっかり忘れてしまいがちなのが、「在留資格の更新」と「所属機関等に関する届出手続」です。
学校に在籍していたときには、所属機関である学校がこの手続きをやってくれているケースも多いでしょうが、卒業後の手続きについては、基本的には学生本人が行わなければならないので、注意が必要です。
では「所属機関等に関する届出手続」は、一体とういう手続きでしょうか。
所属機関等に関する届出手続とは
「留学」や「技術・人文知識・国際業務」、「家族滞在」等の在留資格に変更事項が発生する際には、いずれも必ず14日以内に入国管理局にて「所属機関変更」の手続をする必要があります。留学生の場合は、通学する在籍学校が、この「所属機関」にあたります。
以下の在留資格の方は、必ずそれぞれの性質に合ったどこかの所属機関に属することになります。在留する外国人が、どの機関に所属しているのかということを届出する制度が、「所属機関等に関する届出手続」です。これは在留する外国人自身が行うものと所属機関が行うものの2つが存在します。
在留資格 | 所属機関 | 変更理由 |
---|---|---|
留学 | 在籍学校 | 進学、退学 |
技術・人文知識・国際業務 | 在職企業 | 退職 |
家族滞在 | 配偶者もしくは両親 | 死亡もしくは離婚(配偶者) |
日本人・永住者の配偶者 | 配偶者 | (配偶者)死亡もしくは離婚 |
(ここでは在留資格の所属関係を一部のみ抜粋しています。その他在留資格の所属関係に関しては、どうぞ本事務所にお尋ねください。)
「所属機関等に関する届出」は郵送、窓口及び入管電子届出システムにより提出できるので、進学や転職の際には、必ず14日の期限内に申告してください。
「所属機関等に関する届出手続」申告しない場合の罰則・リスク
では、所属機関等に関する届出手続きを行わないと、どのような影響があるでしょうか。
この手続きを行わずに放置していたら、以下のような重い罰則が課せられることがあります。必ずしも、罰則を受けるというわけではありませんが、期限内に嘘の無い届出をしましょう。
状況 | 罰則内容 |
---|---|
届出をしない、忘れた場合 | 20万円以下の罰金 |
虚偽の届出をした場合 | 1年以下の懲役又は20万円以下の罰金 |
虚偽の届出をして懲役に処せられる場合 | 退去強制の可能性あり(退去強制事由に該当) |
また、上記の罰則を受けなくとも今後のビザの更新に不利に働く場合があります。
3年や5年の在留期間を取るためには、「契約機関に関する届出」を含めた外国人に課せられた届出義務を果たしていなければなりません。そのため届出をしていなかったことに後から気づいた場合、その事実関係を明らかにせずに在留期間更新手続をしてしまうと、在留期間更新が許可されない、または在留期間が短くされる可能性が出てきますので、ご注意下さい。
在留資格活動における注意点
日本の入管法第22条の4(6)では、在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合に、現在有する在留資格を取りることができると明記されています。一定の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けての特例はありますが、この規定に関しては、十分注意する必要があります。この3カ月以上継続して行っていないかどうかとうところは、所属機関等に関する届出手続きにも関連します。
いわゆる一つ前の所属機関との所属関係を解除(退学・卒業・退職等)した後に、3か月以内に次の所属先を決めて、届出手続きを行わないでいると、在留資格を取消される可能性があるということになります。
例え進学先の合格通知書の受取ったとしても、現在在籍の日本語学校から退学し、進学先に入学を待つ状態が3か月以上続く場合には、上述の在留資格取り消し条件に当てはまり、在留資格取り消しのリスクがあるということになります。(離職後3か月以上未就職の状態が続く場合も同様です。)
日本語学校では、在校生の在籍状況の出席率などの情報を定期的に入国管理局に報告していますので、学生自身が入管に「所属機関等に関する届出手続」を申告しなくても、入管が学校からの報告を受けて、学生の状況を把握しています。
その時点で、学生は既に報告義務に違反していることが入管にも判明しますので、今後在留更新及び変更ににマイナス影響を及ぼしかねません。
まとめ
日本に住む外国人として、在留資格関連の制限に影響されることは避けられないことですが、日本で安心して生活するためには、入管の各種法令制限や届出義務は不可欠なものです。しかし、所属機関である学校や会社に任せており、普段あまり関わることがない在留外国人本人にとっては、膨大なインターネットの情報の中から、このような日本の法律制度を正確に見つけ出して、理解することは至難な業です。
万が一、「所属機関等に関する届出手続」をしないまま14日以上経過してしまった場合や、在留資格の更新を控えておられて「所属機関等に関する届出手続」にご不安がある方、在留資格に係る活動を継続して3か月以上経過しそうな方は、更新時の影響が危ぶまれますので、事前に行政書士などの専門家にご相談されるこをお勧め致します。
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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