配偶者ビザ
日本での中国人同士の結婚
- 2024.08.21
来日する外国人の増加に伴い、 日本で暮らしながらに、外国人同士の結婚手続きを希望する方も増えています。 具体的に必要な書類や手続きは、結婚する双方の国籍によって異なります。 また、日本で結婚した外国人同士の方が、ビザを申請し、日本での生活を希望する場合には、配偶者の方のビザの種類や状況により、ビザの手続き書類や、種類がかわります。 今回は、中国人同士の日本での結婚手続きについて説明します。
外国人同士の結婚の一般的な流れ
外国人同士の結婚を前提として、ビザ申請を行うときには、どういったビザの種類でも原則として、以下の3つのポイントを満たす必要があります:
1) 双方が婚姻要件具備者であること
2) 日本及び本国での婚姻手続きが完了していること
3) 日本の社会通念上、夫婦として生活していること
なお、この場合のビザの種類は、以下のような区別となります。
外国人同士の結婚の場合の配偶者が取得できるビザの例
すでにビザを持っている配偶者側の ビザの種類 |
これから申請する配偶者側のビザの種類(扶養される側の配偶者等) |
永住者 → |
永住者の配偶者等 |
高度専門職 → |
家族滞在 または 特定活動33号 (高度外国人材の就労する配偶者) |
就労系ビザ → (技術・人文知識・国際業務等) |
家族滞在 |
特定技能1号 → |
「家族滞在」等の配偶者のビザ(家族の帯同による入国)は不可 ※他の就労ビザ等を検討する必要があります。 ※すでに「家族滞在」ビザをお持ちの場合には、在留資格「特定活動」への変更が認められる場合があります。 |
特定技能2号 |
家族滞在 |
留学 → |
家族滞在 ※ただし、日本語学校等在籍の場合は不可。大学等の場合も、就労による収入がないため、難易度が高くなります。 |
定住者 → |
定住者 |
それぞれのポイントについて説明します。
1)双方に婚姻要件があること
両者とも18歳以上であること、さらに母国での婚姻可能年齢以上であることが必要です。
また、結婚前に独身であることも必要です。
一方または双方が過去に離婚や死別がある場合、その状況に関する追加書類が必要になることもあります。
2) 日本及び本国での婚姻手続きが完了していること。
日本の役所(区役所、市役所、町役場)での婚姻手続きと、本国での婚姻手続きの両方が済んでいること。
婚姻手続きには2つの方法があります:
日本の方法
日本で挙式・婚姻届を提出し、その後、相手国の大使館に婚姻届を提出する方法。届出が不要な場合もあります。
必要書類
- 婚姻届(証人2名必要)
- 婚姻要件具備証明書(独身証明書)
- その他の書類/パスポートなど *1
*外国語の書類は日本語訳が必要です。
*1 父母の氏名・生年月日が確認できる出生証明書、国籍が確認できる国籍証明書(またはパスポート)、離婚歴がある場合は離婚証明書が必要ですが、国によって必要書類が若干変わりますので、詳しくは次項で説明します。
外国の方法
最も簡単な方法は、本国の大使館で婚姻届を提出し、その後最寄りの役所に婚姻届を提出する方法です。
または、本国で婚姻届を提出し、次回来日時に婚姻届を提出する方法もあります。
婚姻届の手続きは国によって異なりますので、詳しくは次項で説明します。 - 日本の社会通念上、夫婦として生活していること
日本で通常の夫婦生活を送り、協力し合って生活していることをいいます。日本人の配偶者等ビザの申請審査では、書類上の婚姻手続きだけで夫婦関係があると判断されるわけではなく、「実際に日本で夫婦として生活していること」もビザの審査対象となります。
ポイントとしては、夫婦が、「同居しているかどうか。」と「金銭的な負担(扶養)があるかどうか」が重要です。
ビザを変更するかどうか、どのビザに変更するかについては、外国人双方の現在の在留資格によります。
外国人双方が永住者、または同じ種類のビザを持っている場合は、変更の必要はありません。
外国人の一方が永住者の場合、もう一方は永住者の配偶者ビザに変更することができます。
外国人の一方が定住者の場合、もう一方も定住者に変更することができます。
外国人の一方が就労ビザの場合、もう一方は家族滞在ビザに変更することができます。
永住者の配偶者ビザについては、こちらをご覧ください。
家族滞在ビザについては、こちらをご覧ください。
中国人同士の結婚の注意点
1) 婚姻資格
中国の婚姻最低年齢は男性22歳、女性20歳です。
双方がこの最低年齢以上である必要があります。
2)手続きと必要書類
婚姻届の手続きは、日本方式と中国方式があり、それぞれのメリットや状況によって異なります。
日本方式
結婚後、日本に長期滞在する場合は、日本で婚姻届を提出した方がよいでしょう。
日本で婚姻届を提出しても、中華人民共和国の民法に反しない限り、中国でも婚姻が認められます。
ただし、中国国外で婚姻届を提出した場合、中国婚姻証明書は発行されませんので、ご注意ください。
必要書類
- 無配偶証明書(中国大使館で申請可能)または未婚公証書
- 宣誓書
- 国籍公証書またはパスポート
- 出生証明書(中国の公証役場で申請する必要があります。)
*中国語の書類はすべて日本語に翻訳する必要があります。
中国方式
中国に戻らなくても、中国大使館で婚姻届を提出することができます。
ただし、そのためには日本での中長期在留資格が必要です。
中国大使館で婚姻届を提出する場合は、最寄りの中国大使館で婚姻届を提出するための予約を取り、予定日に必要書類を揃えて大使館に行きます。
必要書類
- パスポート (原本とコビー)
- 在留カード (原本とコビー)
- お二人のカラー写真(5cm×5.3cm)3枚
- 中国婚姻証明書に身分証明書番号を記載したい場合は、身分証
過去に離婚歴のある方、または死別された方は、追加資料が必要です。
離婚歴のある方
- 以前の婚姻証明書(日本での婚姻の場合は不要です。)
- 離婚を証明するもの(以下のいずれか)
- 中国で離婚した場合
- 離婚証明書(原本)
- 離婚調停調書
- 判決書(一審の場合は効力発生証明書も必要)
- 離婚証明書(裁判所発行のもの)
- 日本で離婚する場合(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 戸籍謄本
- 離婚届受理証明書
- 離婚届記載事項証明書
- 日本の裁判所の判決+それを認めた中国の裁判所の裁定書
- 中国で離婚した場合
死別の場合
- 前婚を証明するもの(以下のいずれか)
- 婚姻証明書
- 婚姻公証書
- 結婚届受理証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 戸籍謄本(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 前配偶者の死亡証明書(以下のいずれか)
- 死亡証明書
- 火葬証明書
- 中国の戸籍簿
- 死亡届受理証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 戸籍謄本(3ヶ月以内に発行されたもの)
詳細は中国大使館のウェブサイトをご覧ください。
また、中国に帰国して結婚することもできます。
中国婚姻証明書を取得後、役所で婚姻届を提出することで、お二人の日本滞在がスムーズになります。
まとめ
今回は中国人同士の日本での結婚の流れと必要書類について簡単に説明しました。
それぞれの状況に応じて、役所か中国大使館で婚姻届を提出します。
この手続きが終わり、ご希望であれば、どちらか一方の永住者の配偶者ビザや家族滞在ビザ等を申請することができます。
これらのビザ申請に関するサポートや、国際結婚に関するご質問は、お気軽にお問い合わせください。
弊所グループは、大阪事務所(阿倍野・天王寺)と東京(渋谷区・恵比寿)を拠点に活動しており、出張相談・オンライン相談もお受けしております。
永住許可申請、帰化許可申請、就労ビザ申請、留学ビザ申請、経営・管理ビザ申請など入管(出入国管理局)への手続きとそれに伴う起業にかかる様々な手続き、在留資格に関わるビザ更新の手続き等をワンストップ行っております。日本語でのご相談にご不安の方は、ベトナム・ネパール・中国・バングラデシュ・英語圏等様々な各国通訳者が在籍しておりますので、ご安心してご相談下さい。
まずは、在留資格、ビザのことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、些細なことでも結構ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
フリーダイヤル:0120-138-552
英語対応専用電話:080-9346-2991
中国語対応専用電話:090-8456-6196
この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
ビザ・帰化と在留のことは
専門家に相談するのがおすすめ
当事務所ではビザに関する各種申請・帰化申請についての無料相談(初回に限り)・お問い合わせにビザ・帰化申請の専門家が対応させていただいております。
また、英語・中国語・韓国語の各言語にも対応可能で専門知識をもっている外国人スタッフが在籍しており、各言語での相談・お問い合わせにも対応可能です。こちらからお気軽に無料相談やお問い合わせをご利用ください。