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経営・管理ビザ

不動産投資を通じて経営管理ビザ

2024.08.09

多くの海外起業家や投資家の方から、日本の不動産へ投資をし、ビザの取得をしたいという御相談をいただきます。 この場合のビザは、通常『経営管理ビザ』となりますが、経営管理ビザは、手続きは複雑で、 ビザ申請の中で、最も難易度が高いものの一つと言われてます。 今回は、とりわけ不動産投資での経営管理ビザに注目して、解説いたします。

経営管理ビザについて

経営管理ビザは、日本で新規事業を経営または開始しようとする個人を対象としています。

申請資格を得るためには、申請者は十分な資本を投資すること、物理的なオフィススペースを確保すること、実行可能な事業計画を提示することなど、いくつかの基準を満たす必要があります。

経営管理ビザについての詳細は、こちら をクリックしてご覧ください。

ビジネスとしての不動産投資

「日本の不動産を購入したので投資ビザを取得したい」という声を多く頂きますが、

原則として、「不動産投資のみ」「不動産を購入しただけ」では、経営管理ビザは取得できません。

 

経営管理ビザは、

「事業に投資し、事業を運営する」ために認められるビザですので、

不動産を投機目的で購入しただけでは、ここでいう「事業に投資・運営している」とはいえず、経営管理ビザは取得できないのです。

 

しかし、この不動産投資が、不動産賃貸業や民泊業等の事業等、事業として行っていれば、経営管理ビザの取得の可能性が出てきます。

 

例えば、

『不動産を購入し、民泊(Airbnbのような)として賃貸する』といったような民泊事業等がこれに当たります。

こういった事業をする場合には、それぞれの許認可や、接客サービスの法的要件をすべて満たしていれば、経営管理ビザの対象となりえます。

 

 

また、そのほかに、複数の1棟マンションを保有したり、商用ビルを保有し、『不動産賃貸業』を行う場合等がも不動産賃貸業を行うための経営管理ビザの取得の可能性が出てきます。

 

民泊業のビジネスモデル

 

先ほど、賃貸管理業の他、民泊業等であれば、経営管理ビザ取得の可能性があると御伝えしました。ここでは、民泊業について、見ていきましょう。

 

民泊の法的枠組み

日本では、「民泊」分野はさまざまな法的枠組みのもとで規制されており、それぞれに独自の規則や要件が定められています。

 

簡易宿所営業許可

簡易宿所営業許可は旅館業法に該当し、多人数で共同利用する宿泊施設を対象としています。この許可で営業するためには、管轄の保健所に申請書を提出しなければならず、許可を得るためには一連の要件を満たさなければなりません。

また、場所もホテルや宿泊施設の営業が可能な地域に限定されます。

 

 

特区民泊

特区民泊は国家戦略特区法に基づいて運営されており、施設に対する要件はそれほど厳しくありません。

しかし、少なくともその宿泊施設では、1つの外国語対応が必要で、最低滞在日数は2泊(3日)となります。 また、国家戦略特区の地域に限定されています。

 

◆民泊新法

2018年に施行された民泊新法は、安全、衛生、近隣との融和を確保するため、民泊サービスの包括的な枠組みを定めている。

民泊事業者、民泊管理者、民泊代行者の3種類の事業者を対象としており、それぞれに具体的な義務と義務が課せられています。

この制度では、民泊は年間営業可能日数が最大180日と制限され、所有者が施設内に居住していない場合は、登録された民泊管理者に管理を委託しなければならないが、施設に対する要件はそれほど厳しくなく、より広い地域で営業することができます。

 

◆法的枠組みの選択基準

それぞれの枠組みには利点と限界があり、これらの枠組みのどちらを選択するかは、物件の立地、対象とする宿泊者のタイプ、運営者の各規制を遵守する意思など、様々な要因に左右されます。物件のオーナーは、日本における民泊事業についてどの法的枠組みの下で運営するかを決定する際、その状況や目的を慎重に判断しましょう。

 

民泊の種類や、その民泊を行う都道府県等により、

詳細な要件等がありますので、詳しくは専門家にご相談ください。

 

不動産賃貸

 

◆不動産賃貸業の概要

不動産投資家は、物件を購入し、長期賃貸で貸し出すことで、不動産収益を得るという不動産賃貸業を行うことで、経営管理ビザの取得できる場合があります。

 

この不動産賃貸業は、自社物件を賃貸に出して、賃料を得るだけでしたら、「宅地建物取引業」等の許認可は必要ありません。

(ただし、他社・他者が保有する不動産の賃貸仲介をしたり、賃貸管理を行う場合には、「宅地建物取引業」の許認可を取得する必要があります。)

 

また、国によって、賃借人の権利・法律は異なり、日本では、建物の賃借人には、居住権がありますので、注意が必要です。このモデルでは、日本の民法、借地借家法等や、入居者の権利をよく理解して、安定した収入源を維持するために物件を適切に管理をしましょう。

 

また、経営管理ビザでは、事業が十分な規模であることが要求されるため、複数の賃貸物件が必要となる場合があり、永住権を持たない外国人の方は、銀行からの融資を受けることが困難なため、申請者にとっては経済的なハードルが高いかもしれません。

 

例えば、一戸建て物件やマンションの一室等を購入して不動産収益のみを得ることを目的とし、他の事業は何もしないようなケースでは、『経営管理ビザ』は取得が難しいといえます。

 

なぜなら、不動産投資のみをする事業として、『経営管理ビザ』を取得するためには、

不動産投資物件の賃料収入で全ての事業経費(役員報酬や、不動産取得にかかる経費、事業所のオフィス等全て)をまかなえい、黒字となる(利益がでる)ようなものでないといけないためです。

 

この不動産投資の事業規模は、決して小さくありません。

仮に、日本の不動産の利回りが、4-5%前後だとすると、不動産投資事業では 最低物件価格1.5~2億円以上の賃貸不動産物件の所有が必要になるであろうケースが多いでしょう。

また、築年数が古い不動産である場合には、修繕費用等でまとまった金銭を必要とする場合や、賃借人付けに苦労をすることもあり、不動産物件の保有数が少ない場合には、更にそのリスクも高くなります。

 

また、経営管理ビザの取得・更新の観点では、原則として、事業が

『会計上収支』も、『キャッシュフロー』上も、黒字(純利益)となる事業である必要があります。

 

そのため、不動産購入代金は、会計処理上は、一括経費として計上せず、減価償却(下の図の例をご参考ください)の対象となったり、借入金の返済額等などは、キャッシュフロー(現預金の動き)と会計上の収支が、異なってきますので、充分に注意して、事業計画をたてなければなりません。

 

そのため、不動産投資で経営管理ビザを取得する際には、不動産や税務に強い経営管理ビザの経験が多い行政書士等に相談したほうが良いでしょう。

 

 

まとめ

不動産投資で、経営管理ビザを取得する道は複雑ですが、取得できる可能性は充分にあります。

よく練った事業計画、現地の法律の遵守、そして日本経済への貢献を明確に示すことが必要です。

民泊であれ長期賃貸業であれ、重要なのは不動産投資が持続可能で合法的な事業運営につながるかどうかです。

このルートをお考えの方は、入国管理局の厳しい要件に沿うよう、申請手続きをうまく進めるために、経営管理ビザの取得経験の多い専門家に相談されることをお勧めします。

 

やなぎグループは、

大手上場不動産会社の登録司法書士として、年間数千件の不動産名義変更手続きにも携わっており、不動産を得意とする士業グループです。

外国人経営者向けに、ビザ取得から会社設立、税務署への手続き、社会保険の手続き、民泊物件の購入、管理、許可申請代行、不動産の売買仲介など全てワンストップサービスでサポートすることができますので、御相談の際は、ぜひお気軽に御相談ください。

 

以前の記事もご参照ください。

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この記事の監修者

柳本 良太
柳本 良太
行政書士・司法書士
行政書士法人やなぎグループ代表社員。
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。

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