高度専門職ビザ
特別高度人材制度とは(J-skip)
- 2024.04.05
高度人材(高度専門職)の在留資格は、学歴、職歴、年齢等、ポイント計算表に記載する項目の合計ポイントが一定点数に達するか否か により、在留資格が認められるかどうかが判断されています。 その中でも、より優秀な外国人に日本に来てもらうために、高度人材の認定過程を簡略化して、現行よりも拡充した優遇措置を認めたのが「特別高度人材制度(J-Skip)」というものです。
特別高度人材制度(J-Skip)とは?
2023年4月より施行された制度で、世界各国で人材獲得競争が進む中、高度外国人材の中でもトップレベルの能力を持つ者の受入れを促進し、日本の産業にイノベーションをもたらすことを目的として、学歴または職歴と年収が一定の水準以上の外国人に「高度専門職」の在留資格を付与し、特別高度人材として優遇措置を認めたのが「特別高度人材制度」です。
特別高度人材制度(J-Skip)は従来の高度人材と比べ、認定過程が簡略化されています。日本で活動できる範囲については、従来の高度人材の制度と同じく、高度専門職1号(イ)・(ロ)・(ハ)に準ずるものとなります。
具体的には、以下の3つの活動類型に対して適用されます。
- ①高度学術研究活動
- 大学の教授や研究者などが、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導、または教育をする活動。
- ②高度専門・技術活動
- 自然科学または人文科学の分野に属する知識や技術を要する業務に従事する者。
- ③高度経営・管理活動
- 事業の経営を行い、または管理に従事する者。
特別高度人材制度(J-Skip)の要件
特別高度人材制度(J-Skip)は従来の高度専門職認定時のポイント計算は必要ではなく、、学歴あるいは職歴と、年収が一定以上であれば、高度専門職の在留資格が取得できるようになりました。
ただしその学歴あるいは職歴と、年収の要件は非常にハイレベルなものとなります。
①高度学術研究活動の活動を行う場合の要件
【活動内容】:
大学の教授や研究者などが、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導、または教育をする活動。
【要件】:
以下のいずれかを満たす方であること。
- 修士号以上取得かつ年収2,000万円以上の方
- 従事しようとする業務等に係る実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上の方
②高度専門・技術活動を行う場合の要件
【活動内容】:
自然科学または人文科学の分野に属する知識や技術を要する業務に従事する者
【要件】:
以下のいずれかを満たす方であること。
- 修士号以上取得かつ年収2,000万円以上の方
- 従事しようとする業務等に係る実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上の方
③高度経営・管理活動
【活動内容】:
事業の経営を行い、または管理に従事する者。
【要件】:
- 事業の経営又は管理に係る実務経験5年以上かつ、年収4,000万円以上の方
特別高度人材制度(J-Skip)における追加の優遇措置
特別高度人材は、高度人材(ポイント制により認定を受ける従来のタイプ)に比べ、優遇措置も拡充されています。
具体的には、以下の優遇措置を受けられます。
◆世帯年収が3,000万円以上の場合、外国人の家事使用人を2人まで雇用できる
◆配偶者は「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」および「興行」に該当する活動以外に、「教授」、「芸術」、「宗教」「報道」および「「技能」に該当する活動をおこなうことができる(なお経歴などの要件を満たす必要はなく週28時間を超えた就労も可)
◆入出国時の大規模空港を中心に設置されたプライオリティレーン(※)を使用できる
※「プライオリティレーン」とは、対象者が優先的に利用できる、保安検査場や飛行機の搭乗口の優先レーンを指します。
◆特別高度人材制度では1年の活動で2号に移行できる
(通1号から2号への移行に3年以上の活動が必要です)
◆申請にかかる期間が短いこと
(特別高度人材制度(J-Skip)が準ずる高度専門職の審査は優先され、概ね申請受理してから10日以内となります)
*今回は『特別高度人材制度(J-Skip)』における拡充優遇措置について紹介しましたが、従来の『高度専門職』もほかの在留資格にはないような優遇措置ついてのご紹介は、こちら高度人材の優遇措置にてご確認いただけます。
まとめ
今回は特別高度人材制度(J-Skip)ビザをご紹介しました。
特別高度人材制度(J-Skip)は、日本が高度な専門知識や技術を持つ外国人材をより容易に受け入れることを可能にする制度です。
従来の「高度専門職」の在留資格の取得が困難な場合でも、J-Skipでは複雑なポイントシステムを通過する必要がなく、特定の要件を満たすことで在留資格が得られるという大きな利点があります。
特別高度人材制度(J-Skip)の活動類型にご不安な方、また関連業務の実務経験の立証面にご不安を感じられている方、申請手続きの面で疑問を感じている方、ぜひ一度弊社にお問合せて下さい。
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この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。
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