家族全員で同時に永住申請
家族全員での永住申請は、外国人の方々にとって日本で安定した生活を築くための有力な手段ですね。
家族全員で、永住申請を考えている方は、特段問題がなければ、一人一人個別で申請するのではなく、家族全員で同時に申請することをおすすめします!
今回は、家族全員で同時に永住申請する際のメリットや注意点について説明します。
家族全員で同時に申請するメリット 要件緩和について
家族全員で永住申請する場合、家族全員が通常の永住の要件(居住歴10年以上)を満たしている必要はありません。
申請人(扶養者)が要件を満たしていれば、他の方(配偶者や子供)の要件が緩和され、一定の要件を満たせば、一緒に永住申請することができます。
※通常の要件については、こちらを参照ください。
なぜかというと…
メインの申請人に永住許可がおりた場合、配偶者は永住者の配偶者、子供は配偶者の実子として考えられ、特例要件が適用されるためです。
なお、この場合、配偶者や子供は、配偶者等ビザを持っていることまでは求められません!家族滞在ビザや就労ビザ等ビザの種類にかかわらず、以下の要件を満たせば申請可能です!
では、どのように要件が緩和されるのか、配偶者と子供にわけて紹介します。
一緒に申請する配偶者の要件
居住要件:実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦(日本)に在留している
ここでいう「実態を伴った婚姻かどうか」というのは、同居・扶養の事実等、総合的に判断され、偽装婚でないかを確認されるということです。
もし夫婦が別居しており、一方が海外で暮らしているといった場合には、別居をする相当な理由があることや、扶養の実態があるのかどうか というのが、ポイントとなります。
日本の民法では、夫婦には、同居義務・扶養義務があるからですね。
また、「1年以上、本邦(日本)に在留している」かどうかという点では、「」日本に在留していなければならない点にも、注意が必要です。
連続して約90日、または年間の約150日~200日程度 外国にいるとなると、この「引き続き日本に在留している」とはいえず、永住審査においてはマイナス要素となります。
同居していない・出国が多い等の事情がある場合には、専門家に相談の上、しっかりと対策を立てて申請をすることをお勧めします。
一緒に申請する子供の要件
居住要件:1年以上本邦に継続して在留している
※ここでの子供、は実子と特別養子しか含まれず、普通養子は該当しないので注意してください。
2.手続きの簡素化
申請人が個別で申請し、永住の許可がおりた場合、
配偶者や妻が家族滞在ビザをお持ちの場合、在留資格の変更が必要になります。
これは、家族滞在ビザは、扶養者が
入管法別表第一の一の表の教授、芸術、宗教、報道、二の表の高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、三の表の文化活動又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者
と限定されているためであり、永住者はここには含まれません。
そのため、
配偶者は⇨永住者の配偶者(⇨その後に永住申請)
子供は⇨定住者(⇨その後に永住申請)
の在留資格に変更する必要があります。
家族全員で同時に申請した場合は、上記の変更が不要になり、在留資格の変更の手間や費用が省けます。
また、他にも、
同時に申請することにより、個別で申請するよりも、申請書類の準備の手間や費用が少なくなります。
家族全員で申請する際の注意点
1人でも、素行要件などに問題があると、家族全員にマイナスな影響を及ぼす可能性があります。素行不良と判断されるケースとしては、税金の未納や滞納がある・資格外活動許可違反を犯している場合などが挙げられます。
もちろん、個別で申請したからといって、家族の在留状況が影響されないわけではありませんのでご注意ください。
まとめ
ご家族全員で永住権を取得することにより、「全員が自由に就労できるため、収入源が増え、経済的な安定が図れる」・「ローンが組みやすくなる」など、今後日本で生活をしていくうえで良い点がたくさんあります。
まずは、お一人で永住申請を検討されている方もご家族で永住申請を検討されている方も、当事務所では、専門家としてこのようなご相談もお一人お一人のライフプランや状況に寄り添って対応させていただいておりますので、初回無料の「無料相談」をご活用いただき、ぜひお気軽にご相談ください(「無料相談」の予約申し込みは
この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。