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就労ビザ

派遣社員でも就労ビザを取得できる?

2024.05.16

近年、正社員よりも自由度の高い派遣社員としての働き方を選ぶ方も増えていると言われています。 2020年4月の派遣法の改正により、「派遣労働者の同一労働同一賃金」が義務になり、派遣社員として待遇面が大幅に改善されました。ライフワークバランスを守りながら働ける派遣社員は働き方の多様化が求められる近年のニーズにマッチしていると言えますが、これは外国人労働者にも当てはまります。 今回、外国人が派遣社員でも就労ビザを取得することができるかどうか、また注意すべき点などに関してお話ししたいと思います。

派遣社員として就労ビザは取得できる

結論から申し上げると、外国人労働者が就労ビザの申請をする際には、特に正社員や契約社員、及び派遣社員という雇用形態の制限はありません。そのため、派遣社員でも就労ビザを取得することは可能です。ただし、正社員と同じように、派遣社員で就労ビザを取得するにはいくつか注意すべき点があります。

派遣社員が就労ビザを取るときの注意すべき点

・職務内容と学歴や実務経験の関連性があるかどうか

就労ビザを取得するには、派遣先の職務内容や実務経験に関連性がなければなりません。

例えば、4年制大学等で、法律学部や経済学部を卒業していれば、営業や経理等の業務に従事し、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得し該当する職種につくことが可能です。あるいは、4年制大学卒等ではないが、十年以上 その専門分野の業務に従事していた場合には、在職証明書等で実務経験を立証して、在留資格を取得することが可能です。専門学校等卒業の場合には、専門分野と密接に関連する業務を行う場合には、関連性があるとして就労ビザを取得することができます。

基本的に、通常の就労ビザと同様の審査がなされますので、詳しくは「技能・人文知識・国際業務の在留資格を得るには?」のブログをご参考に覧ください。

自身の専門知識や実務経験等と異なる職種に就くことはできません。「派遣元」の会社の業務内容・職種が自身の専門知識や経験と一致していても、「派遣先」の就業先での業務内容が一致していなければ、在留資格を得ることはできませんので、ご注意ください。

※派遣先で行う業務内容は、いわゆる単純労働や肉体労働は認められません。(特定技能の在留資格を対象とする派遣会社である場合には、別の審査要件があります)

・派遣元の企業の安定性がある

派遣社員にあたる外国人従業員は派遣元から給料が支払われるので、派遣元の企業の安定性も重要になります。そのため、安定性や継続性を証明する書類を用意する必要があります。例え前年度の法定調書合計表など、会社の経営状況がわかる資料になります。一部の派遣元の企業が一般社員に経営状況を開示したくないため、資料が厳封状態で渡すこともあります。

・給与

外国人が就労ビザを取得して日本で働く場合、直接雇用の場合と同様、派遣社員の外国人も日本人と同等以上の報酬を得る必要があります。そのため、従業員に十分な報酬を支払える安定性の企業でないと、就労ビザの許可が下りないことがあります。

・素行

犯罪歴や不法滞在歴がある人は、その罪名や年数によっては不許可になる可能性があります。よく見られるのは留学生が資格外活動許可で認められた労働時間を超えることや、出席・成績不良等の点です。そのため、将来日本で就職を考えている留学生は、アルバイトの労働時間が認められた範囲を超えないよう気を付け、勉学を第一に考えることをお勧めします。

それ以外に、派遣会社が以前不法就労助長罪など外国人スタッフの不法就労に関わっていた場合にも、新規の外国派遣社員の在留資格を取得する際には、支障が出る可能性が高くなります。

派遣社員が就労ビザを取った後に気をつけること

原則として、在留資格に変更事項が発生する場合には、いずれも必ず14日以内に入国管理局にて「所属機関変更」の手続をする必要があります。派遣社員が就労ビザを取った場合、入国管理局で派遣元と派遣先の情報が両方とも登録されているため、たとえ派遣元が変わらなくても、派遣先が変わった場合、その都度、入国管理局に申告する必要があります。

まとめ

今回は、派遣社員として働きたい外国人も、就労ビザの取得が可能という内容についてご紹介させて頂きました。「正社員雇用でないと就労ビザ取得が難しい」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、実際、一定の取得要件を満たしていれば、派遣社員や契約社員であっても就労ビザの取得が可能です。尚、就業先・派遣元の両者の企業の安定性や、専攻内容や実務経験と就業内容の関連性が無ければならないなど、注意すべき点はいくつかあります。

日本に住む外国人として、在留資格関連の制限に影響されることは避けられないことですが、日本で安心して生活するためには、入管の各種法令制限や届出義務は不可欠なものです。しかし、普段あまり関わることがない在留外国人本人にとっては、膨大なインターネットの情報の中から、このような日本の法律制度を正確に見つけ出して、理解することは至難な業だと言えます。

行政書士は「身近な街の法律家」と呼ばれてきました。

弊所でも、今までに多くの永住許可申請、帰化許可申請、就労ビザ申請、留学ビザ申請、経営・管理ビザ申請など入管(出入国管理局)への手続きを行っております。

在留資格のことで少しでもお悩みがある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

皆様が安全かつ快適に日本で生活していただけるようお役に立てればと思います。

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この記事の監修者

柳本 良太
柳本 良太
行政書士・司法書士
行政書士法人やなぎグループ代表社員。
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。

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