高度専門職とは、高度専門職1号とは、高度専門職2号とは、申請の流れ、申請の必要書類、高度専門職ビザのポイントなど
こういったお客様へ
☑高学歴(修士・博士以上や、世界ランキングに入る大学等卒等)
☑年収が高い方
☑日本語能力が高い
☑日本に投資している
☑国内外において学術研究実績・掲載論文等がある
こういった方は、高度人材にあたる可能性があります。
高度専門職ビザとは
高度専門職ビザとは、法務省令で定める基準をクリアした特に評価される専門知識や高い能力をもつ人材(「高度人材」といわれます)が、取得できる在留資格です。 こういった高度人材(高度専門職)の方に、日本で安定して活躍してもらい日本の経済社会の活性化を目指すため、日本は高度専門職のビザの方に、在留期間や家族の同伴などで、様々な優遇措置を設けています。
法令では、「高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの」と規定しています。
簡単に言うなら、「高度専門職は、法務省で定めた一定基準をクリアする人(高度人材)が次のイ・ロ・ハのどれかの職業で働く場合に発行される就労ビザ」ということです。
イ
「高度学術研究活動」
大学等の教育機関で教育や指導をする活動や、企業などの研究所で研究をする活動のことで、副業として関連するビジネスを自分で経営したり、別の会社でも同時に研究なども行えます。
ロ
「高度専門・技術活動」
自然科学や人文科学などの専門知識または技術を必要とする業務などで働く活動のことで、関連するビジネスを自分で経営することもできます。
ハ
「高度経営・管理活動」
会社の経営や管理、弁護士、税理士などの経営、管理をする活動のことで、その会社とは別に自分のビジネスを経営することもできます。
- 法務省令で定める基準(高度人材ポイント制)をクリアした「高度人材」
「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイント数が設定された、法務省令で定める基準である『高度人材ポイント制』という評価の仕組みで一定以上のポイントを獲得できた人が申請できるのが高度専門職ビザです。そのため、高度人材ビザと呼ばれたりすることもありますが、「高度専門職」が正しい名称です。
なお、ポイントを計算する「ポイント計算表」についてはこちらで説明しています。
- 高度専門職ビザの優遇内容
高度専門職ビザは、副業ができたり、在留期間も長く、そして永住者の資格を申請する条件も優遇されます。副業や在留期間以外にも、例えば以下のような優遇もあります。
- 永住者の申請が3年で行えます。さらに『ポイントが80点』以上なら1年の在留期間で永住者の資格を申請できます(他の就労ビザからの申請では永住者を申請できるまで10年ほど時間が必要です)。
- 一緒に日本で暮らしている配偶者も働くことができます。さらに他の就労ビザで必要な学歴や職務経験も必要なくなります。
この他にも様々な優遇がありますが、詳しくは下記の「高度専門職1号とは」「高度専門職2号とは」をご覧ください。
高度専門職ビザの概要 | ||
---|---|---|
活動内容 | 高度専門職1号(イ)高度学術研究活動、(ロ)高度専門・技術活動、(ハ)高度経営・管理活動 | |
高度専門職2号(「法務大臣が指定する」という前提がなく、高度専門職ビザの活動目的の範囲) | ||
在留期間 | (高度専門職1号)5年 | |
(高度専門職2号)無期限 | ||
基準省令 | ポイントの合計が一定の点数以上(70点)など |
高度専門職1号とは
高度専門職1号とは、ポイント計算表(詳しくはこちら)で得られる総得点が70点以上で、「法務大臣が指定する日本の公私の機関」で(イ)高度学術研究活動、(ロ)高度専門・技術活動、(ハ)高度経営・管理活動のいずれかの活動につく高度人材に発行されるビザとなります。
高度専門職1号(イ)
「高度学術研究活動」
法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、「研究、研究の指導・教育をする活動」をすることができます。同時に、「関連するビジネスを自分で経営」することもできますし、「本業とは別の公私の機関と契約して研究、研究の指導・教育」することもできます。
高度専門職1号(ロ)
「高度専門・技術活動」
法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、「自然科学、人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動」をすることができます。技術・人文知識・国際業務ビザで行える仕事が代表的です(※国際業務に該当するものは除く)。このため、技術・人文知識・国際業務ビザから高度専門職ビザに変更する場合は、ほとんどの場合がこの(ロ)で申請することになります。
この在留資格も「関連するビジネスを自分で経営」することもできます。
高度専門職1号(ハ)
「高度経営・管理活動」
法務大臣が指定する日本の公私の機関で、「貿易その他の事業の経営、その事業の管理に従事する活動」をすることができます。経営・管理ビザで行える仕事が代表的です。このため、経営・管理ビザから高度専門職ビザに変更する場合は、ほとんどの場合がこの(ハ)で申請することになります。
この在留資格も「関連するビジネスを自分で経営」することもできます。
- 高度専門職1号の優遇内容
① 副業が可能になる
高度専門職1号ビザがあれば、契約をしている「法務大臣が指定する日本の公私の機関」での活動に加えて、「本業に関連するビジネスを経営」することを同時に行うこともできます。
※ ただし、契約をしている「法務大臣が指定する日本の公私の機関」(勤務先)が規定などで「副業の禁止」をしている場合は、在職中の副業はできません。
② 初回の許可から5年の在留期間
他の就労ビザは初回の申請では在留期間が1年間で許可され、複数回の更新を経て5年の在留期間が発行される傾向があります。しかし、高度専門職ビザは初回の許可からすぐに5年間の在留期間になります。
③ 「永住者」の申請が3年で行える
高度専門職ビザ1号が許可されると、3年後には永住者の申請を行うことができます。さらに、高度人材のポイント計算が80点以上なら、その期間は1年に短縮されます。「日本版高度外国人材グリーンカード」とも呼ばれる仕組みです。
④ 配偶者も正社員として就労可能
高度専門職ビザをもつ人の配偶者は、教育ビザ、技術・人文知識・国際業務ビザの範囲の職種であれば、正社員として働くことが可能です。さらに通常はそれらのビザ取得に必要な学歴や経歴などの条件も求められることはありません。
⑤ 両親との同居ができる
通常のビザでは、人道上の相当の理由があると認められるようなレアケースを除いて、日本に両親を呼び寄せて一緒に暮らすということはできません。しかし、高度専門職ビザでは妊娠や幼児の世話などの事情がある場合、一定の条件(詳しくはこちら)で両親との同居が可能になります。
⑥ 家事使用人を呼び寄せることも可能
母国や海外でこれまで働いてくれていた家事使用人さんを日本に呼び寄せることができます(ただし、これには詳細な条件が設定されておりますので、詳しくは当事務所までお気軽にお問い合わせください)。
⑦ ビザが優先的に審査される
通常の就労ビザでは審査期時間が、勤務する会社の規模などにもよりますが、1〜3ヶ月程度は必要です。しかし、高度専門職ビザの審査は優先して行われ、標準的には5〜10日ほどで処理されます。ですので、手続きの時間を無駄にすることがありません。 また、万が一、高度専門職の要件を満たさないと入管により判断された場合にも、通常の就労ビザ等の要件をもとに審査が進められますので、手続きの時間を無駄にすることがありません。
- 高度専門職1号の条件
高度専門職1号の条件は、(イ)(ロ)(ハ)の種類ごとにそれぞれに設定されています。ここでは、その各種類ごとに条件を詳しく解説していきます。
高度専門職1号(イ)
「高度学術研究活動」
❶ 高度人材ポイント制のポイント計算表で合計70点以上であること
❷ 次の「イ」か「ロ」のどちらかに該当すること
イ 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「教授」、「芸術」、「宗教」、「報 道」のいずれかに該当すること
ロ 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」のいずれかに該当し、同時にこれらの在留資格で規定された基準省令に適合すること
❸ 日本で行う仕事(活動)が日本の産業や国民生活に与える影響などの観点から相当でないと認められる場合でないこと
高度専門職1号(ロ)
「高度専門・技術活動」
❶ 高度人材ポイント制のポイント計算表で合計70点以上であること
❷ 年収が300万円以上であること
❸ 次の「A」か「B」のどちらかに該当すること
A 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」のいずれかに該当すること
B 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「経営・管理」、「法律・会計業 務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業 務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」のいずれかに該当し、同時にこれらの在留資格で規定された基準省令に適合すること
❹ 日本で行う仕事(活動)が日本の産業や国民生活に与える影響などの観点から相当でないと認められる場合でないこと
高度専門職1号(ハ)
「高度経営・管理活動」
❶ 高度人材ポイント制のポイント計算表で合計70点以上であること
❷ 年収が300万円以上であること
❸ 次の「A』か「B」のどちらかに該当すること
A 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」のいずれかに該当すること
B 日本で行う仕事(活動)が在留資格の「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」のいずれ かに該当し、同時にこれらの在留資格で規定された基準省令に適合すること
❹ 日本で行う仕事(活動)が日本の産業や国民生活に与える影響などの観点から相当でないと認められる場合でないこと
高度専門職2号とは
高度専門職2号とは、高度専門職1号の在留資格をもち、日本に3年以上在留した人が対象者となる在留資格です。
定められたいくつかの条件をクリアすることで、高度専門職1号から高度専門職2号に変更することができ、在留期間が5年から無期限へとなります。
なお、高度専門職2号には、日本の公私の機関(勤務先)に「法務大臣が指定する」という前提がありません。つまり、本業の勤務先が指定されないので、高度専門職2号では高度専門職ビザの活動目的の範囲内であれば転職も自由にすることができます。
高度専門職2号は、高度専門職1号とは違って(イ)(ロ)(ハ)の別はありません。
- 高度専門職2号の優遇内容
高度専門職2号では、高度専門職1号の優遇内容(詳しくはこちら)に加えて、さらに下記の優遇内容が追加されます。
在留期間が「無期限」になる
高度専門職1号は5年の在留期間ですが、高度専門職2号では在留期間が無期限になります。
転職が可能になる
高度専門職1号のビザは、本業として勤務する会社や団体が指定されるので、もし転職をしようとするなら、同じビザを取り直すか、他の就労ビザへの変更が必要となります。しかし、高度専門職2号では本業の会社や団体の指定がなくなるので、在留資格で許可される職種の範囲内なら自由に転職することができます。
副業の領域が拡大する
高度専門職1号の副業は「本業の仕事と関連するビジネスを自分で経営する」という範囲に限定されています。しかし、高度専門職2号ではこの条件がなくなり、副業の範囲が他の就労ビザの対象となっている仕事全般まで広がります。
「両親と同居が可能になる事情と条件」について
同居が可能な事情
- 高度専門職ビザの本人か、その配偶者の7歳未満の子供(養子も含む)を養育する場合
- 高度専門職ビザの本人が妊娠中、またはその配偶者の人が妊娠中のときの介助などを行う場合
一定の条件
- 高度人材の世帯年収が800万円以上であること
- 高度人材と同居すること
- 高度人材またはその配偶者のどちらかの親に限ること
- 高度専門職2号の条件
高度専門職1号から高度専門職2号へと変更するための条件は以下のようになっています。
高度専門職2号
❶ 高度人材ポイント制のポイント計算表で合計70点以上であること
❷ 素行が善良であること
❸ 在留が日本国の利益に合すると認められること
❹ 日本で行う仕事(活動)が日本の産業や国民生活に与える影響などの観点から相当でないと認められる場合でないこと
高度専門職(高度人材)の関係者
高度専門職ビザの在留資格の中には「関係者」に許可されることも含まれています。ここでは、その「関係者」に許可されることについてわかりやすく解説していきます。
高度専門職(高度人材)の配偶者
外国人の配偶者が家族滞在ビザで就労する場合には、「資格外活動許可」が必要になります。また、その場合の就労できる時間は週合計28時間以内に制限されています。しかし、高度専門職(高度人材)の配偶者の場合、就労する場合に「資格外活動許可」が必要なく、さらに就労時間の制限がなく就労することが認められています。
家事使用人
外国人が家事使用人を日本に連れてくることは認められていませんが、高度専門職(高度人材)の場合、報酬額などの一定条件(世帯年収が1000万円以上)を満たした場合に限り、母国や海外で雇用していた家事使用人を連れてくることができます。
また、配偶者が病気などの理由で日常家事をすることが難しい場合や、13歳未満の子供がいる場合は日本への入国後に新たに雇用し、母国や海外から呼び寄せることもできます。
高度専門職(高度人材)本人および配偶者の親
外国人が親を日本に連れてきたり、呼び寄せたりして一緒に暮らすことは、一部の経営管理ビザ等を除いて、基本的にできませんが、高度専門職(高度人材)の外国人および配偶者に対しては、年収(世帯年収800万円以上)や子供の年齢(7歳未満の子供を養育する場合)などの事情と一定条件(詳しくはこちら)を満たした場合に限り、その親を連れてきたり、呼び寄せて一緒に暮らすことができます。
高度専門職ビザの申請
高度専門職ビザの申請を行う際の、申請の流れ、申請の必要書類、標準的な審査期間などについてわかりやすく解説していきます。
申請の流れ
では、実際に高度専門職(高度人材)ビザの「認定」「変更」「更新」の申請をするにあたっての具体的な申請の流れからみていきましょう。
入国管理局(出入国在留管理局)と入国管理庁(出入国在留管理庁)についてはこちらのページ(現在準備中)で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
高度専門職1号「認定」手続きの必要書類
高度専門職1号の認定(在留資格認定証明書交付申請)の基本的な必要書類をご案内します。下記にある必要書類は基本的なもので、申請人の状況などによってはさらに添付書類などが必要になる場合もあります。
申請人の状況に合わせた必要書類をそろえるには、専門的な知識や経験が必要になることも多くあります。大変な労力や多くの時間を使って望まない結果を受け取ることになるよりも、専門家に相談するのが安心です(どうぞお気軽に当事務所の「無料相談」をご利用ください)。
カテゴリー 1(※1) |
カテゴリー 2 |
カテゴリー 3 |
カテゴリー 4 |
|
---|---|---|---|---|
① 在留資格認定証明書交付申請書 | ○ | ○ | ○ | ○ |
② 写真(縦4cm×横3cm)1葉 | ○ | ○ | ○ | ○ |
③ 返信用封筒(404円分の切手貼付) | ○ | ○ | ○ | ○ |
④ ポイント計算表 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑤ ポイントを立証する資料 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑥ カテゴリーに該当することを証明する文書(※2) | ○ | ○ | ○ | |
⑦ 称号を付与されたことを証明する文書(※3) | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑧ 労働条件通知書(雇用契約書)等(※4) | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑨ 活動の内容等を明らかにする資料 | ○ | ○ | ||
⑩ 学歴及び職歴その他経歴を証明する文書 | ○ | ○ | ||
⑪ 登記事項証明書 | ○ | ○ | ||
⑫ 事業内容を明らかにする資料 | ○ | ○ | ||
⑬ 直近年度の決算書の写し (新規事業は事業計画書) |
○ | ○ | ||
⑭ 法定調書合計表を提出できない理由を 明らかにする資料 |
○ |
※1 所属する機関(「法務大臣が指定する日本の公私の機関」)の区分である「カテゴリー」については、こちらで詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
※2提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当することになります。
※3 専門学校を卒業し、専門士または高度専門士の称号を付与された方が提出する資料です。
※4 派遣契約に基づいて就労する方が提出する資料です。
入国管理庁(出入国在留管理庁)のHPから「在留資格認定証明書交付申請書」などの資料もダウンロードできますので、確認してみてください。
高度専門職1号「変更・更新」手続きの必要書類
高度専門職1号の変更(在留資格変更許可申請)・更新(在留期間更新許可申請)の基本的な必要書類をご案内します。下記にある必要書類は基本的なもので、申請人の状況などによってはさらに添付書類などが必要になる場合もあります。
申請人の状況に合わせた必要書類をそろえるには、専門的な知識や経験が必要になることも多くあります。大変な労力や多くの時間を使って望まない結果を受け取ることになるよりも、専門家に相談するのが安心です(どうぞお気軽に当事務所の無料相談をご利用ください)。
カテゴリー 1(※1) |
カテゴリー 2 |
カテゴリー 3 |
カテゴリー 4 |
|
---|---|---|---|---|
【変更】① 在留資格変更許可申請書 【更新】① 在留期間更新許可申請書 |
○ | ○ | ○ | ○ |
② 写真(縦4cm×横3cm)1葉 | ○ | ○ | ○ | ○ |
③ パスポートおよび在留カード(提示) | ○ | ○ | ○ | ○ |
④ ポイント計算表 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑤ ポイントを立証する資料 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑥ カテゴリーに該当することを証明する文書(※2) | ○ | ○ | ○ | |
⑦ 労働条件通知書(雇用契約書)等 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑧ 住民税の課税(または非課税)証明書 および納税証明書 各1通 |
○ | ○ | ||
⑨ 活動の内容等を明らかにする資料(※3) | △ | △ | ||
⑩ 登記事項証明書(※3) | △ | △ | ||
⑪ 事業内容を明らかにする資料(※3) | △ | △ | ||
⑫ 直近年度の決算書の写し(※3) (新規事業は事業計画書) |
△ | △ | ||
⑬ 法定調書合計表を提出できない理由を 明らかにする資料(※3) |
△ |
※1 所属する機関(「法務大臣が指定する日本の公私の機関」)の区分である「カテゴリー」については、こちらで詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
※2 提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当することになります。
※3 カテゴリー3または4の企業等に転職後の初回の「更新(在留期間更新許可申請)」の場合に提出する資料です。
入国管理庁(出入国在留管理庁)のHPから「在留資格変更許可申請書」、「在留期間更新許可申請書」などの資料もダウンロードできますので、確認してみてください。
高度専門職2号「変更」手続きの必要書類
高度専門職1号から高度専門職2号への変更(在留資格変更許可申請)の基本的な必要書類をご案内します。下記にある必要書類は基本的なもので、申請人の状況などによってはさらに添付書類などが必要になる場合もあります。
申請人の状況に合わせた必要書類をそろえるには、専門的な知識や経験が必要になることも多くあります。大変な労力や多くの時間を使って望まない結果を受け取ることになるよりも、専門家に相談するのが安心です(どうぞお気軽に当事務所の無料相談をご利用ください)。
カテゴリー 1(※1) |
カテゴリー 2 |
カテゴリー 3 |
カテゴリー 4 |
|
---|---|---|---|---|
① 在留資格変更許可申請書 | ○ | ○ | ○ | ○ |
② 写真(縦4cm×横3cm)1葉 | ○ | ○ | ○ | ○ |
③ パスポートおよび在留カード(提示) | ○ | ○ | ○ | ○ |
④ ポイント計算表 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑤ ポイントを立証する資料 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑥ カテゴリーに該当することを証明する文書(※2) | ○ | ○ | ○ | |
⑦ 労働条件通知書(雇用契約書)等 | ○ | ○ | ○ | ○ |
⑧ 住民税の課税(または非課税)証明書 および納税証明書 各1通 |
○ | ○ | ||
⑨ 活動の内容等を明らかにする資料(※3) | △ | △ | ||
⑩ 登記事項証明書(※3) | △ | △ | ||
⑪ 事業内容を明らかにする資料(※3) | △ | △ | ||
⑫ 直近年度の決算書の写し(※3) (新規事業は事業計画書) |
△ | △ | ||
⑬ 法定調書合計表を提出できない理由を 明らかにする資料(※3) |
△ |
※1 所属する機関(「法務大臣が指定する日本の公私の機関」)の区分である「カテゴリー」については、こちらで詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
※2 提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当することになります。
※3 カテゴリー3または4の企業等に転職後の「変更(在留資格変更許可申請)」の場合に提出する資料です。
入国管理庁(出入国在留管理庁)のHPから「在留資格認定証明書交付申請書」などの資料もダウンロードできますので、確認してみてください。
必要書類の解説
ここでは、必要書類の中にある「ポイント計算表」について、詳しく解説していきます。
- ポイント計算表
高度専門職ビザには、「高度人材ポイント制」で獲得できるポイントの合計が70点以上あることが必須の条件となります。
「高度人材ポイント制」とは、申請人の一定項目でポイント化して、高度人材として評価する仕組みです。評価の対象は、申請人の学歴や年収などになってきます。
高度外国人材の活動内容を 1.高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」 2.高度専門・技術活動「高度専門 職1号(ロ)』 3.高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」の3つに分類し、それぞれの活動の特性に応 じて、「学歴」、「職歴」、「年収」、「研究実績」などの項目ごとにポイントを設定し、申請人ご本人の 希望する活動に対応する類型について、ポイント計算による評価を実施します。
この「高度人材ポイント制」で評価する際に用いられるのが所定の「ポイント計算表」です。「ポイント計算表」で得られる総得点が70点以上になる人が「高度専門職ビザ」の対象とされる仕組みというわけです。
ポイント計算表は評価の項目が、「学歴」や「職歴」など大きく5つに分かれていることに加えて、高度専門職ビザのなかでも、「高度学術研究活動(イ)」「高度専門・技術活動(ロ)」「高度経営・管理活動(ハ)」の種類によって評価方法が微妙に異なります。
❶ 「学歴」に関する項目
基本的に大学卒業(学士)か、同等以上の教育を受けていると有利な判定となります。さらに、修士や博士の学位保持者には加算があります。
❷ 「実務経験・職歴」に関する項目
3年以上の実務経験がある場合にポイントを獲得することができ、その実務経験が長いほど獲得できるポイントが増える仕組みになっています。ただし、実務経験は申請する高度専門職に関連するものに限られます。
❸ 「年収」に関する項目
高度専門職(イ)と(ロ)は、申請人の年齢と年収に応じてポイントが加算されます。高度経営・管理活動に該当する(ハ)は、年齢に関係なく年収が1000万円を超えたらポイントが加算されます。
(ロ)と(ハ)には「年収が300万円以上必要である」という最低条件があります。
もし申請人の年収が300万円を下回っていたなら、他の項目の合計で70点以上になっても高度専門職のビザは取得できませんので注意が必要です。
❹ 「年齢」に関する項目
申請時に39歳以下の人はその年齢によってポイントが加算されます。そして、20代など若い人はポイントが高くなります。しかし、高度専門職(ハ)では、年齢による加算はありません。
❺ 「ボーナスポイント」に関する項目
高度専門職(イ)(ロ)(ハ)の分野ごとに設定されているボーナスポイントと、各分野に共通で設定されているボーナスポイントの2種類があります。
-
(イ)と(ロ)のボーナスポイント
(イ)と(ロ)には、これまでの研究実績に応じてボーナスポイントの加算があり、(ロ)ではさらに職務に関連する日本の国家資格保有でボーナスポイントの加算があります。
-
(ハ)のボーナスポイント
(ハ)には代表取締役などの役員レベルの地位に応じてボーナスポイントが加算されます。
-
各分野の共通ボーナスポイント
各分野の共通のボーナスポイントは、日本の高等教育機関(大学や大学院など)で学位を得ていると加算されるボーナスポイントと、日本語能力試験N1またはN2取得者などに加算されるボーナスポイントが用意されています。これらに加えて、申請人の出身大学の世界大学ランキングによってポイントが加算されるボーナスポイントもあります。
ポイント計算例(高度専門職1号(ロ)「高度専門・技術活動」)
28歳のAさんは、日本の大学に留学し、在学中に日本語能力試験N1に合格しました。大学を卒業後は、4年間「技術・人文知識・国際業務ビザ」で日本の企業で働いています。現在の年収は550万円になっています。
こちらの例をもとに、高度専門職1号(ロ)「高度専門・技術活動」のポイントを実際に計算してみます。
項目 | 評価される対象 | ポイント |
---|---|---|
学歴 | 大学卒業 | 10 |
実務経験 | 3年以上の実務経験 | 5 |
年収 | 550万円 | 15 |
年齢 | 現在28歳 | 15 |
ボーナスポイント | 日本の大学を卒業 | 10 |
日本語能力試験N1 | 15 | |
獲得ポイント合計 | 70 |
この計算例のように、定められたポイントを申請人の経歴や年収などに沿って計算していきます。こちらの計算例のAさんはポイント計算表の獲得ポイント合計が70点なので、高度専門職ビザの申請が可能ということになります。
標準的な審査期間
高度専門職ビザの標準的な審査期間は5日〜10日ほどです。これはあくまで標準的なもので、審査期間は申請人の申請内容や状況、入国管理局・入国管理庁の申請受付の混雑状況などによっても異なってきます。
高度専門職ビザのポイント
高度専門職ビザの、注意しておかなければならないことやよく質問をされることなどのポイントについて、わかりやすく解説していきます。
高度専門職1号の転職
高度専門職1号の場合には、「法務大臣が指定する日本の公私の機関」での活動をもとに在留資格が認定されており、パスポートに貼付されている「指定書」または入管から認定証明時に交付される「指定書」によってその機関は指定されています。
転職をするということは、その活動(就労)する機関が変わるということなので、転職をする前に入国管理局での「在留資格変更許可申請」が必要になります。
「在留資格変更許可申請」をして、許可が出てから転職先で活動(就労)することができるようになります。
また、転職をする際には、前職を退職してから14日以内に住所地を管轄する出入国在留管理官署(入国管理局)へ届け出をする必要があります。この届出は義務となっていますので、必ずしなければならないものです。 この届出は、入国管理局で直接、もしくは郵送やオンラインでも可能です(詳しくはこちらを確認ください)。
高度専門職2号の転職
上記の高度専門職2号の優遇内容であったように、高度専門職2号の活動は高度専門職1号よりも大幅に緩和されます。しかし、高度専門職2号であっても、転職を考えている間に6ヶ月間活動(就労)働かないでいると在留資格は剥奪されてしまうので注意が必要です。
高度専門職2号の場合、本業の会社や団体(「法務大臣が指定する日本の公私の機関」)の指定がなくなるので、在留資格で許可される職種の範囲内なら自由に転職することができます。
高度専門職ビザのよくあるご質問
短期大学卒、高等専門学校卒、専修学校の専門課程(専門学校)卒は学歴ポイントの対象になりますか?
複数の分野において、博士、修士の学位又は専門職学位をもっている場合、ポイントはそれぞれ加算されますか?
「報酬」にはどのような名目による支給が含まれますか?例えば、超過勤務手当はポイント計算のための報酬に含まれますか?
「報酬」とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、基本給のほか、勤勉手当、調整手当、固定残業手当等が含まれます。ボーナス(賞与)も、予定額が確定されているものについては、この「報酬」に含まれます。
ただし、業績に応じて支給される歩合給や、賞与(未確定で証明書が出ないもの)等については、不確かであるため、この報酬として含まれません。
固定残業手当のように定まったものではない超過勤務手当(残業手当)は、一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付であるものの、入国時点においてどの程度の超過勤務が生じるかどうかは不確かであるため、ポイント計算の「報酬」には含まれません。また、在留期間更新の場合も、ポイント計算の「報酬」は予定年収に基づいて判断されますので、過去に支給された「超過勤務手当」は含まれません。
ただし例外として、高度専門職の方が、優遇措置を受けて永住許可申請をする際等、1年前や3年前の収入を証明する場合には、超過勤務(残業手当)や、賞与も支給の実績がありますので、「報酬」として含めることが可能となります。
その他、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)も、この「報酬」には、含まれません。
高度専門職の在留資格を得た後に、年収が減ったり、年齢を重ねたことによりポイントの加算が減ってしまい、合計点が70点未満になった場合は、その後の在留は認められないのでしょうか?
ポイントが70点以上あれば、年収がいくらでも高度専門職のビザをもらえますか?
高度専門・技術活動(「高度専門職 1 号ロ」)及び高度経営・管理活動(「高度専門職 1 号ハ」)については、最低年収基準が決まっており、年収が「300万円」に達しない場合には、いくら他の項目によりポイントの合計が70点以上だとしても、高度専門職のビザは取得できません。
高度専門・学術研究(「高度専門職1号イ」」)については、このような最低の年収の基準はありませんので、ポイント合計点が70点以上あれば、年収が低くても、高度専門職のビザを取得できる可能性があります。
高度専門職のビザを得ると、永住許可で優遇措置があるということですが、具体的にはいつ永住者となることができますか?
高度専門職ビザのサポートと費用
高度専門職ビザのサポートと費用については下記のとおりとなっています。
サポート内容 | 費用 | 合計(税込) |
---|---|---|
無料相談(初回に限り) | 0 円 | 0 円 |
高度専門職1号「認定」申請サポート | 80,000 円〜 | 88,000 円〜 |
高度専門職1号「変更」申請サポート | 80,000 円〜 | 88,000 円〜 |
高度専門職1号「更新」申請サポート | 80,000 円〜 | 88,000 円〜 |
高度専門職2号「変更」申請サポート | 80,000 円〜 | 88,000 円〜 |
ビザの申請では、必要資料として「何の資料が必要」で「何の資料が必要ないか」の判断や管理、「何の資料をいつまでに準備しなければならないか」などのスケジュールや準備の管理など、専門知識や経験がなければ難しいことが多くあります。 また、このように難しいことに大変な労力や時間を使っても不足があって思うような結果が得られないことも多くあります。
当事務所では、申請人の状況などを丁寧にヒアリングしながら、親切・丁寧、スピーディーにこのようなビザの申請をサポートし、専門家だからこそ提供できる安心感と満足をサポートとして提供しています。
申請人の方の問題のより良い解決のために、必要に応じて、法務グループとして行政書士はもちろんのこと、弁護士、司法書士など各専門家と連携してワンストップの法務サービスを提供しております。 また、外国人スタッフも在籍しており、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語にも対応可能です。
まずはお気軽に当事務所にお問い合わせ、ご相談ください。 ご相談につきましては、無料で専門家に相談できる(初回に限り)「無料相談」をどうぞご利用ください(無料相談の予約申込みはこちらから)。
この記事の監修者
- 柳本 良太
- 行政書士・司法書士
24歳のときに司法書士、行政書士、賃金業務取扱主任者の国家試験を同時合格。
大手資格予備校の専任講師をしながら、司法書士・行政書士等の法律関係の事務所を独立開業し、現在、司法書士・行政書士として、15年以上の経験を持つ。
一部上場企業不動産会社、金融機関、介護事業者や専門士業会等において、セミナーや講演・講師活動も行い、現在60講演以上の実績がある。
その他、法務省告示校の日本語学校の理事長を務め、不動産会社(外国人対応可能)の顧問を務める等、外国人関連産業において、多方面にて活躍中。